title

温暖化対策の推進と百済貨物駅移転での

環境問題について江川議員が質疑

江川繁市会議員

2008年7月1 日

 日本共産党の江川しげる大阪市会議員は、7月1日環境対策特別委員会で大阪市の温暖化対策の推進と百済貨物駅移転問題に関わる環境問題について市長を質しました。           

 江川議員は、ヨーロッパの熱波や猛烈なハリケーンなど異常気象、温暖化現象がすすみ、日本でも昨年夏には、熊谷市と多治見市で最高気温が40.9℃観測史上最高を記録。大阪市では熱帯夜、ヒートアイランド現象など枚挙にいとまがなく、洞爺湖サミットを前にして、環境先進都市大阪をめざすのなら、政府を動かす程の実効ある市のとりくみが求められていると指摘しました。

 世界に関心を呼び起こしている地球温暖化問題は、1988年、IPCCが設置され、1997年に京都議定書が結ばれ2005年2月16日に発効。そして、このまま推移すれば地球での生態系や人類の生存も危うくなると2007年に衝撃的なIPCC第4次報告があり、2050年までには世界全体で50%の温室効果ガス削減目標が提起をされています。そんな中、京都市は温暖化対策条例で2010年に10%の削減目標、2030年には50%削減しさらにカーボンゼロを目指すなど積極的なとりくみが自治体で始まっています。

  江川議員は、京都市などの先進面をもっと学ばなくてはいけないと指摘。ところが大阪市は、減らすとごろか2002年度から2004年度に温室効果ガスの排出量がCO2にして35万トン増加していると問題点を指摘その要因について当局に質しました。環境局は削減できなかった理由を、原子力発電の事故があったからなどという答弁をし、江川議員は、言い訳にもならないと厳しく非難しました。その上で、風力発電や太陽光など自然エネルギーを重視した低炭素社会に転換していく積極的な姿勢が大阪市に求められている。企業への働きかけや原子力発電の問題点を解決する努力を市長に求めました。さらに、江川議員は、大阪市環境条例の制定など大胆な転換が必要で、優先的、抜本的なとりくみをと再度市長に要請しました。

 平松市長は、地球温暖化問題は大変重要な課題で低炭素社会の実現などに努めていきたい。環境先進都市をうたう大阪市としてそれにふさわしい内容をわかりやすい言葉で市民に説明していきたいと答弁しました。

 次いで江川議員は、百済駅貨物駅の問題をとり上げ市長に見解を求めました。今里交差点は、2007年度、98%値評価(NO2に適用される環境基準の評価方法)が0.063ppmと環境基準値をオーバー。また杭全から今里交差点周辺は全国有数の大気汚染・騒音・振動・渋滞地域で、最近はPM2.5(大気中の微小な粒子状物質で、肺がんや循環器系の疾患を引き起こすとされている)も大きな問題になっています。その上、数年後に梅田貨物駅の機能が移転し、貨物トレーラーが1日560台から1,760台へ1,200台も増加、そのうち今里筋へは約1,000台分が流れてくるとされています。

 江川議員は、改善策を急げと強く要望、北ヤード開発の内容の議論は別にあるとして、@梅田貨物駅を現地に存続して北ヤードを開発する A梅田貨物駅等を地下に入れて開発する。地上は緑いっぱいの豊かなものをつくる B梅田貨物駅移転先を居住中心部でない所に変更して開発する3つの選択肢を市長に提案しました。江川議員は、生野区、東住吉区、平野区、東成区約50万人に環境負荷を加えない、快適なくらしを保障する大阪市には責務がある。環境問題に市民の関心が高まっている時でもあり、今が再検討の時機ではないかと市長の見解を問いました。

 平松市長は、「環境への影響は軽微である」という報告を受けた。地元との協定書の内容を尊重し、周辺の生活環境への影響を充分配慮しながら事業を行うよう今後とも働きかけていきたいという答弁にとどまりました。

 江川議員は、1,200台ものトレーラーが増えるのが「軽微」であるはずがない。市民との対話が公約ならば自ら現地視察し地域住民の生の声を聞くべきだと厳しく指摘、必要な場合市長の権限で環境影響評価の実施もできると要請しました。