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大阪市は地域住民の環境を守る願いより

建設会社の利益を優先する都市計画変更

キングマンション陳情書 長谷議員が採択主張

長谷正子市会議員

2004年2月26日

2月26日、大阪市会計画消防委員会が開かれ、日本共産党の長谷正子議員は、「港区南市岡キングマンションの超高層建設計画の見直しを求める陳情書」(南市岡中町 大川峰子会長)の採択を求めて質疑しました。

 陳情は港区南市岡3−6(田中機会跡地)の準工業地域、容積率300%の所に建設工事が進められている仮称キングマンション南市岡が、日影問題を全く考慮することなく巨大マンションが建設される計画で、周辺住民が、事業主と施工者に対して、計画の強行、見直し、住民に被害など行政指導を求めています。

 もともとこの建設予定地は、1992年8月の都市計画決定では「業務、アメニティなど複合機能を備えた都市空間の形成を図る」としてマンション建設など全く想定されていませんでした。ところが、2002年11月の都市計画審議会において再開発地区計画の変更が提案され、外周道路の幅員を6mにするなどマンション建設のお膳立てが行われ、用途地区の変更としてこの地区2.4haについて準工業地区の容積率が200%から300%と緩和されました。

 長谷議員は、本来、都市計画は長期的な街づくりプランに沿って、大阪市が良好な街づくりへと誘導していくべきものを、この計画変更は、全て地権者及び開発会社の計画を大阪市が追認し、企業の開発利益を最優先するやり方が露骨に行われてきたと批判しました。

 2003年10月に大阪市日影規制条例が改定され、準工業地域に新たに日影規制が行われた。長谷議員は南市岡が従前の容積率200%のままならば、日影規制対象で高さ制限が加わるので、建設会社などから市長に提出された要請書を受けて、駆け込み的に容積率を緩和し、日影規制に気兼ねなく巨大マンションが建設可能なように便宜を図ったのではないかと厳しく指摘しました。

 計画調整局の佐藤課長は「土地所有者の発意に基づいて都市計画を決めた」と認めたものの「日影規制は建設地は容積率300%だが、周辺は200%なので日影規制がかかる」と答弁しました。

 長谷議員は、大阪市は地域住民の環境を守る願いより建設会社の利益を優先する都市計画変更が今日の事態を生んでいることを強調し、1月16日にも市長要望した住民の意見に真摯に耳をかすべきであると主張しました。

日本共産党は陳情書の採択を主張しましたが、自民党、公明党など与党多数で不採択扱いとなりました。