title

建築確認行政で大阪市は公的責任を果たせ

耐震構造計算書の偽装問題で質疑。

計画消防委員会で稲森豊議員

稲森豊市会議員

2005年12月13日

1213日大阪市会計画消防委員会において、日本共産党の稲森豊議員は構造計算書の改ざん問題について質問を行いました。
 稲森議員は、建築基準法の目的をふまえたうえで、大阪市がホテル「ヴィァイン新大阪ウエスト」の建築確認を一旦合格としながら、改ざんが判明し、他の検査機関に依頼し再計算した結果、強度が足らないことが明らかになった問題についてただしました。理事者は、書類の不備や、構造計算書と構造図の照合など建築基準法で定められる通常の手順で審査を行ったが、巧妙な改ざんであった為見抜けなかったなどと答弁しました。

稲森議員は、1998年の建築基準法改定により、構造計算の計算過程の審査は省略して良いとされ、その結果コンピューターによる途中の入力数値の改ざんは見抜けないことになってしまっている。これは、大阪市の審査業務が建築基準法を遵守させると言う特定行政庁に求められている目的を遂行できないレベルであることを証明するものである。また民間の指定確認検査機関についても同様で、このような改ざんを防止するシステムと体制を具備しているか否かも特定行政庁は掌握できていないという無責任な状態で、これは建築基準法の番人としての任務を放棄するものである。これらの原因はいずれも1998年の建築基準法改悪による規制緩和にあると指摘しました。

また稲森議員は、建築基準法によって公正でなければならないとされている指定確認検査機関も住宅販売会社が出資者となっているなど馴れ合いを誘発するような現状である。また中間検査や、完了検査も、特定行政庁の眼が十分届かない制度となっており公正・中立性が担保出来ていない。と専門誌に発表されている構造設計の専門家の警告などを引用しながら今回の事態が生じた背景について解明しました。

そのうえで大阪市が今後行うと表明している、抜き打ち検査や、一部の再計算に止まらず、建築基準法の精神に立ち返り、日本共産党市会議員団が124日、市長に緊急申し入れした、市民からの相談窓口を設けること、1999年以後の建築物について調査し安全性を確認すること、民間機関からの確認報告をチェックできるよう建築指導の審査体制を強化すること、建築基準法の規制緩和によって民間検査機関の報告を受けるだけというチェック機能が果たせない状態を改善するため国に市の権限を強化すべく建築基準法の改善を求めることを要求しました。

菊植潤建築指導部長は、国の動向を見守りながら指摘された問題については国にも働きかけてゆく旨の答弁を行いました。