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都市計画審議会での稲森豊議員の質疑 |
稲森豊市会議員 2006年2月9日 |
2月9日の大阪市都市計画審議会に大阪市景観計画が提案され、日本共産党の稲森議員は質問と意見表明を行いました。 景観計画はその基本目標として大阪市の景観特性を引き出し、その美しさや魅力をいっそう高めてゆくことが重要であるとし、市域の景観の向上のため都市景観の形成に努めることを掲げています。今回、市域全体にわたり計画が適用される事になり、その目的を達成するための方針が定めようとするものです。 稲森議員は大阪市が景観計画を持ち、その達成のために努力することについては大賛成であるが、大切なのはその内容と、それを実現するための保証であると指摘。市民の皆さんからのパブリックコメントにもあったが、景観という概念はきわめて主観的なもので、今回「大阪らしい都市景観」とか「魅力ある景観」と表現されているが、これらは何を持って規定するのか、どのような要素をもって判断するのか質問しました。 またすでに多くの都市で景観条例や景観計画がつくられ実践されているが、最大の障害は景観計画と開発者の利益との衝突で、前に行政視察した小樽市の運河周辺の景観計画の例を挙げ、行政が建物所有者や地権者、開発者に要請しても経済効率が優先され聞き入れられず歴史的建造物が壊されたり、不調和な建物が建設されるという問題点や、稲森議員の地元平野区のホープゾーン計画でも住民参加「祭りちょうちんが似合う町並み」ということで修復事業がすすみ大叛市も評価する事業だが、その平野本町のど真ん中に高層マンションが建設中で周りは寺院や古い町並みが残る地域、周辺住民は大反対したにもかかわらず結果として大阪市はなんら有効な対応をしなかった。 今後このようなことは無いと住宅局の担当者は住民に答えたと聞くが、建築基準法や、都市計画法の用途地域に合致すれば、文句を言われる筋合いはないという開発業者の行為に今後は歯止めがかけられることになると期待して良いのか質問しました。 また、大阪ミナミの道頓堀など昔、賑っていた地域を再び活性化しようと水辺空間を活用した街づくりが進められている一方。場外競輪場が建築されるなど健全な盛り場と調和できない施設が建設され周辺住民が反対しても大阪市は合法だからと言って有効な手立てをとらないなどいろんなところで問題が起きている。 景観計画が絵に書いた餅にならぬよう、ぜひ今度の景観計画と景観条例、国の景観法を活用して基本目標が実現するような実効性のある計画となるよう期待すると要望しました。加えて、いま景観を破壊するような超高層マンションなどの建設が強行される背景に用途地域がある。以前に決められた用途地域が産業構造の変化や、町の開発など時間経過の中で地域特性が変化しているにもかかわらず、当初の用途のまま放置され、日影規制などが不問のため、平野区の例のように環境破壊や調和が損なわれるような事態が起きている。 この景観計画を全市に適用するにあたり市内全体の用途地域が現行でよいのかどうか精査し、変更すべきは地域住民と協議し景観計画にマッチするよう変更すべき努力を大阪市として行うべきでないかと大阪市の姿勢を質しました。 事務局である大阪市計画調整局はこれら質問に対し、一定の理解を示しながらも景観計画は地域の皆さんと事業者との協議によってすすめるべきものと大阪市は従来どおりの行政指導の域を出ない対応にとどまる答弁を行いました。その後、採決に移り全会一致で景観計画案を採択しました。
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