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エレベーターの実効ある点検検査の確立を求め質問

計画消防委員会において稲森豊議員

稲森豊市会議員

2006年6月28日

628日大阪市会計画消防委員会において稲森豊議員は大阪市のエレベーターの安全確保の取り組みについて緊急質問を行いました。

日本共産党市会議員団としては去る613日に4点にわたって大阪市に対し申し入れを行っていますが、まず人身事故を起こしたシンドラー社のエレベーターの点検状況がその後どうなっているかという稲森議員の質問に対して、大阪市は市営住宅の127台については自前ですべて点検を行い、又大阪市の公共施設の37台については委託している保守管理会社によって点検を行い、いずれも異常がないことを報告しました。

又、国土交通省が大阪市に調査を指示している民間のシンドラー社製のエレベーター279台については「近畿ブロック昇降機等検査協議会」に調査を依頼、そのうち50台についてはすでに廃棄、あるいは機種交換しており、現在運行中の229台のうち107台は異常がないことが判明しており、残りは調査中との答弁がありました。

次にマスコミなどでシンドラー社に不具合が集中しているのは安全よりも効率性を優先しているとの報道があることに関し、稲森議員は、最近の大阪市から受注しているシンドラー社の入札記録を資料として示し、予定価格の85%という安値で落札し、「価格破壊」を先導していること、逆に、市営住宅の階段室に設置しているエレベーターについては競争入札にもかかわらず99.8%というような限度ぎりぎりの高値で独占受注しているのは不自然であると、受注のあり方について疑義を申し立てしました。

これに対して國松弘一建設課長は「落札率につきましては、その物件状況、地域性、発注の時期等々により、いろんな相違、いろんなバライティーがでてくると聞いている。契約については契約センターの方で適切に行われていると聞いている」と答弁しました。

続いて稲森議員は、今後の大阪市の対応について、建築基準法123項では昇降機については1年に一度、特定行政庁に点検の報告が義務付けられているにもかかわらず、実態は、自主申告の有様で、大阪市も現在報告義務のあるエレベーターが市内のどこに何台存在するかすら正確に掌握していないため、未報告者についても特定できず、点検報告の書式内容も、具体にどのような不備が生じたかの報告項目もないなど検査報告制度が形骸化していると指摘。

その上で、たとえば自動車の車検制度のようにすべての報告義務のあるエレベーターについて登録し、メーカーを超えて性能や、具体的な修理記録、など共通のデーターが分かり、誰が点検しても安全が確保できるようマニュアル化するなど実効性のある検査点検のあり方を国にも改善を求め、大阪市においても独自に制度化するよう求めました。

これに対し、梅村宏尚建築企画課長は「具体的な基本検査報告は、所有者、管理者、検査者とその資格、エレベーターの概要と共に72項目にわたる検査項目の結果などを報告するとなっている。表も提出しなければならないことになっている。具体的な検査項目は、機械室、かご室、かご上部、乗り場、ピット等を検査し、制御版、ブレーキ、電動機、つりロープ、その取り付け部等について、その劣化、損傷、腐食不具合等のチェックを行う、その他にエレベーターの動作のチェックもあり、上部れきの試験、電気抵抗の測定などもあり、技術的、専門的多岐にわたる事項になっており、これらの事は国土交通省令等において定められている。今回の事故を契機に、国の方においてもさまざま角度から検討が行われている。大阪市としては国の状況を注視し、引き続きエレベーターの安全確保に努めていきたい」と答弁しました。