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ワンルームマンション建築で、大阪市は建築主に対し、

住民と十分な話し合いを持つよう行政指導を

稲森豊市会議員

2006年12月14日

 12月14日、大阪市会計画消防委員会が開かれ、日本共産党のいなもり豊議員が、「ワンルームマンション『Mプラザ今里弐番館(仮称)』建設についての陳情書」の採択を求めて質疑しました。

 陳情書は、建設に伴ない騒音、振動、日照、風害、電波障害、通学通園の交通安全など多くの問題が発生し、日常生活に著しい障害が生じるとし、大阪市に建築主との話合について誠意を持って機会を確保し、住民の要望が満たされるよう建築主に行政指導することを求めています。

大阪市ではワンルームマンションの建築に伴う紛争の防止と、良好な居住環境の確保というものを図る事を目的に「大阪市ワンルーム形式集合建築物に関する指導要綱」を設け、建築主に対して駐輪施設や駐車施設、廃棄物、保管施設の設置、管理体制の整備や管理規約の作成等入居者への周知など事前協議および届出により指導を行っています。また第1種住居地域でも容積率200%までは日影規制が適用されます。

この対象地域は第1種住居地域容積率300%建ぺい率80%日影規制適用外の地域です。

稲森議員は、ボリュームが大きい建物が建てば、日照障害も当然大きくなる。ボリュームの大きい建物ほど日影規制をきっちりとしなければならないと指摘し、どういう理由で容積率300%と決めたのか質問。

計画調整局計画部の都市計画川田均課長は「近くに近鉄今里駅があり、商業地域に隣接した地域で、一部、中高層マンションも立地しているなど、住居系の用途地域の中でも、住宅を主としながら、複合的な機能をもった市街地として高度利用をはかっていく地域として、第一種住居地域容積率300%を指定している。」と答弁。

稲森議員は、第一種住居地域は、大規模な店舗・事務所の立地を制限し住環境を保護するのが基本で、プラス土地の高度利用という二つの側面を持つと述べ、土地の高度利用を優先することによって住環境が破壊されてはならない。もし、ここが容積率200%地域ならば、日影規制により、もう少し緩和された建物が建つのではないか。また日影図によれば、午前8時から9時の朝礼時に中川小学校の校庭が日影になる。東京都や名古屋市、東京都新宿区では、同じ第一種住居地域でも容積率300%まで日影規制をしている。住環境を守るという面で、大阪市の日影規制は非常にゆるいのではないかと認識を質しました。

 住宅局建築指導部の梅村宏尚建築企画課長は「地域の日照への影響が大きい大規模建築物については、『大規模建築事前協議制度』を活用し、敷地境界線を越えて、終日日影を生じさせないよう指導を行っている」と問題点すり替えの答弁。

稲森議員は、本来ならば名古屋や京都、神戸や東京では許されない建物でも、大阪市内だったら建てられる結果、毎日のように紛争が起こっている。合法的というのは、あくまでも違法でないというだけであって、制度や法律、要綱をクリアーしているからと言って問題なしとはならない。「大阪市建築計画事前公開制度」第4条ではお互いに協議して自主的に解決することがうたわれている。法律的な制約はあるとしても、大阪市として願意が通るように最大限努力すると共に、これを防ぐためには、せめて他都市並みの住環境を守る規制、条例の整備と、用途地域についても、現状の土地利用と乖離している部分があるので、全市的にきっちりと精査する事を求めました。

陳情書は、日本共産党は採択を主張しましたが、自民・公明・民主党などオール与党が継続審議を主張したため、多数決で継続審議扱いとなりました。