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御堂筋の景観壊すな.

大阪市都市計画審議会で稲森議員が主張

稲森豊市会議員

2007年2月6日

200726日、大阪市都市計画審議会が開かれました。日本共産党の稲森豊議員は、中央区本町3丁目南地区における都市再生特別地区の変更について反対の意見表明を行ないました。

これは御堂筋に面した約0.5ヘクタールを新たに都市再生特別地区に加えるという内容で、それによって容積率1300パーセント最高140メートルの高層ビル建設が可能になり、御堂筋の高さ100尺・31メートルのスカイラインが壊されることになるものです。

稲森議員は、御堂筋は44メートル道路、銀杏並木、高さ100尺のスカイラインの統一という3つの要素による景観美を備えており、圧倒的多数の市民から愛される大阪の誇るべきシンボルであること、それゆえに1937年に建設されて以来美観地区に指定され、1969年に行なわれた都市計画法の改定による高さ制限の撤廃、容積率規制への移行の際にも当時の大阪府都市計画地方審議会において「御堂筋のような既成の建築集団がすでに統一的形態をなしている地区については、これを維持するよう、高さの制限等について必要な制限を取るよう」との特別の付帯意見がつけられ、軒高31メートルを行政指導により誘導することを決め、その後、1995年「御堂筋沿道建築物のまちなみ誘導に関する指導要綱」でも道路境界線から4メートルのセットバックにより最高高さ50メートルと言う運用がなされ御堂筋の景観を守る方針が堅持されてきた。ところが淀屋橋地区では最高70メートルに緩和、と次々となし崩し的に規制が崩されて来た。今回の提案によって最高120メートルの建築物が可能になり、連続したスカイラインの連続性は完全に壊されることになる。これは従来からの景観保全の方針を根本的に変更することを意味するのかと質問しました。

これに対し川田均都市計画課長は「本町通りでビジネス活動等を先導する都市空間としてランドマーク的な役割を果たす高層建築物をこの地区に限って作る」と、今までの景観保全の姿勢を変更する旨の答弁しました。

稲森議員は、御堂筋は平成8年、「戦前におけるわが国の都市の成熟を確認できる場としても貴重だ」と「日本の都市景観100選」にも選ばれ、又「御堂筋景観図(毎日新聞社刊)」でも「御堂筋を抜きにして大阪が世界に誇る街路は果たしてあるだろうか」と評価される市民の大切な財産である。いかに行政の長である市長であってもあるいは地権者の意向であっても市民の合意なしにこれを破壊するようなことを決定することは許されない。今日の審議会は歴史的な決定を行なう場となる。都市再生という不確実な事業と御堂筋の景観というかけがえのない大阪市民の貴重な財産を相殺することは許されないと主張。また御堂筋を作った当時の関一市長が雑誌「大大阪」で述べている「高層建築物の増加のみを誇っている大阪市の将来は国民の墳墓があるのみである。これを救う途は都市の肺臓である緑地地帯を永久に保留することである」という文言も紹介し、都市計画審議会委員という大阪市の街づくりについて責任ある立場から、提案には明確に反対を表明しました。

稲森議員以外の他の委員からも「御堂筋の景観を大きく変更するからにはそれなりの明確な必然性を示すべきである」「案が通ったあと誰が責任を持って街つくりを誘導するのか」「淀屋橋と本町の中間部分は50メートルラインを保持するのか」などの質問意見が出されましたが、大阪市は抽象的な提案内容の説明を繰り返すだけで明確な答弁のないまま採決に付され、多数で提案は採択されました。

(しんぶん赤旗:2007年2月11日付)