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公団住宅居住者の居住安定を

森議員が陳情書の採択求めて質疑

稲森豊市会議員

2007年9月26日

9月26日の大阪市会計画消防委員会において、日本共産党の稲森豊議員は関西公団住宅自治会協議会、北堀江団地自治会より出された「公団住宅居住者の居住の安定に関する意見書提出の陳情書」について採択の立場から討論を行いました。

陳情の願意は6月22日の閣議決定された「規制改革推進のための三カ年計画」の独立行政法人都市再生機構の賃貸住宅事業に関する内容において、現在、全国にある77万戸の公団住宅の規模は過大であるとして事業の縮小を企図している事は問題であるとし、独立行政法人都市再生機構の賃貸住宅事業を充実するよう大阪市議会に意見書の提出を求めたものです。

稲森議員は、まず現在大阪市内には公団住宅が何戸存在しているか。また公団住宅が大阪市民の居住の安定という点で果たしてきた、あるいは、今後、果たすであろう役割をどう評価されているのか。大阪市の住宅政策を司り市内の住宅の実態を総合的にリサーチしてきた大阪市都市整備局の見解を求めました。

都市整備局企画部・野口住宅政策担当課長は、「市内に37,180戸が存在する(平成18年度末)。国の指導の下、主にファミリー世帯向けの良好な住宅、居住環境を備えた賃貸住宅ストックとしての役割を担いつつ、単身入居、社宅利用も可能とするなど、若い世代から高齢者といった幅広い居住ニーズに対応している」と公団住宅の制度について説明の答弁を行いました。

稲森議員は、現在、公団住宅居住者のうち約70%が公営住宅入居の収入階層の世帯であることを示し、たとえば「規制改革推進のための三ヵ年計画」で「公営住宅階層の居住者が大半を占める物件は地方公共団体への譲渡などについて協議せよ」とあるが、仮にそのような事になった場合大阪市としてそのような方針を受け入れる余地はあるのか。あるいは旧公団住宅に対するニーズということで言えば現公団住宅居住者の7割の人たちが市営住宅と比較して割高の公団住宅に高家賃に耐えながら継続居住を希望していること。今、独立行政法人都市再生機構の賃貸住宅事業が果たしている役割に代って受け皿となる住宅制度が存在しないこと、高齢化、年金生活者の増加、市民の生活実態など日本の将来を考えた場合、公営住宅や公団住宅など公的賃貸住宅の必要性は高まることこそあれ、低まることは無い。大阪市内の旧公団住宅に限って考えた場合でも事業が縮小されることは市民の安定的居住にとって大きな打撃になることは明らかである」と公団住宅居住者の収入などを例示し、北九州市の意見書や泉南市の要望書を紹介し、大阪市議会においても市民の安定居住に資するため意見書を上げあげるよう求めました。

採決の結果、日本共産党は採択を主張しましたが、自民・公明・民主党などオール与党が継続審査を主張したため、多数決で陳情の採択にはいたりませんでした。

日本共産党は9月28日の本会議に向けで、陳情されている内容を取り入れた意見書を準備し与党各派と協議した結果、9月28日開会された市会本会議において陳情の趣旨を取り入れた前向きの意見書が与党から示され全会一致で採択されました。