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北ヤード1期地区の

都市計画決定について瀬戸議員が質疑

瀬戸一正市会議員

2003年2月8日

2月8日、大阪市都市計画審議会が開かれ、大阪駅北地区17haの開発について、都市再生特別区制度を適用して建築物の容積率を大幅に緩和するとの都市計画案が審議され、日本共産党の瀬戸一正議員が、ヒートアイランド対策や地球環境問題などの面と、街づくりの面の両面から計画案を批判し、これに反対する質疑をしました。

 瀬戸議員は最初に、今回の案は都市再生特区制度を使って建築物の容積率を2倍に引き上げるものだが、そうして建築されるビル群は大阪市のヒートアイランド現象にどのような悪影響を与えるのか、当局は屋上緑化などによって環境負荷が軽減されると説明しているが、それはビル群の悪影響を上回るものかと尋ねましたが、大阪市は「具体的にここでどのぐらいの気温の熱が発せられるかは予測困難であって把握していない」という無責任な答弁をしました。

瀬戸議員は、気象庁がヒートアイランド現象について、都市部における土地利用(アスファルト舗装、コンクリート道路)が2度ほど気温を上げているとの報告書を出していることを紹介し、今回の床面積約48万平方メートルのビルに蓄熱される熱量やビルが使用するエネルギーによる排熱量はものすごく大きいものなのに、まともな検討がされていないと指摘しました。

瀬戸議員はさらに、ロボット産業などを核とするナレッジ・キャピタルを導入するとしているが、床面積48万平方メートルのうちナレッジ・キャピタルは8万平方メートルほどしかなく、残りはホテルや商業施設、オフィスビルであって、この周りでやられている開発と全く変わらない。関西再生の起爆剤、関西の再生をリードするなどと評価するほどのものか」と質問しました。

高橋都市計画担当課長は「ロボット産業の市場は2010年には約2兆円に大幅に増大する見込みだ。ロボット産業が大阪北地区に集積されるとそれが関西一円に広がり、大学研究機関と連携が強まり関西全体の底上げがされ、大阪の発展に貢献する」と答えました。

瀬戸議員は「起爆剤と言われた事業で不発弾に終わったものはいっぱいある」として、湊町開発センタービル(MDC)や、USJが映像産業を集積すると説明していたこと、国際経済の交流拠点とされたWTCが今や雑居ビル・大阪市第2庁舎になっているなどの数々の失敗例を上げて、「大言壮語してもそんなことにはならない」と厳しく批判しました。

最後に瀬戸議員は、2002年におこなわれた北ヤード開発計画の国際コンペに応募した約1,000件のなかに、「24ヘクタールの敷地いっぱいに大公園を配して、ミュージアムなどの文化施設を散在させ、大阪の都心に公共空間を取り戻し、都市の魅力を回復させる戦略拠点にし、『水と緑のネットワーク構想の起点』とする」というオランダチームからの作品があったことを紹介し、これは関西財界や大阪府、市が目指す方向と余りにも乖離しているので選ばれなかったが、荒廃をきわめる大阪の将来に歯止めをかける、逆転の発想の一つの案だったと発言しました。