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十三の環境守れ.偽装ラブホテルの規制求め

清水議員が陳情質疑

清水ただし市会議員

2008年12月18日

 12月18日、大阪市会民生保健委員会が開かれ、日本共産党の清水ただし議員は、通学路や商店街に隣接する(偽装)ラブホテルの建築・営業を規制する条例の制定を求める陳情について質疑を行いました。

 淀川区十三本町の商店街に隣接して、二つのホテルが建設されています。いずれもラブホテルとして営業される可能性が高く、「今以上の風紀の乱れは教育環境にも大きな影響を及ぼす」と、地元住民はホテルの建設に反対してきました。清水議員は、この間、一貫してビジネスホテルと主張し地元の反対を押し切って建設・営業している西区川口の本田小学校前のホテルが、実際はラブホテルとして営業されていることを暴露し、今年5月に改正された旅館業に関する条例では、これらのホテルや建設中の二つのホテルを規制することができないことを明らかにしました。

 また、当該ホテルが市立神津小学校区にあることから、清水議員が通学路の安全性について教育委員会の認識をただしたところ、「学校周辺にラブホテルが建設されるという事態は好ましくないが、教育委員会には直接規制する権限がない」とこたえ、実際は十三の歓楽街を避けて通学するよう指導していることを明らかにしました。

 清水議員は「これ以上ラブホテルの建設はやめてほしいという地元住民の願いに応えるべきだ。子どもたちが安心して通学できるように実効性のある施策が必要性ではないか」と関係局に迫りました。さらに清水議員は、十三の歓楽街に風俗案内所が軒を連ね、地域の風紀を損ねていることを紹介。派遣型風俗店が風俗案内所を受付窓口にして客をラブホテルにあっせんし、女性に性的サービスを行わせている実態を告発しました。また、建設中のホテルの事業主が、今年6月に禁止区域で無店舗型ファッションヘルスを営業したとして大阪府警に摘発されたことも紹介し、「同様の事業を十三で展開しようとしているのであれば由々しき事態だ。地域環境の悪化や犯罪を未然に防ぐために大阪市として手をこまねいて見ているべきではない」とうったえました。

 清水議員に十三という街のもつイメージを問われた平松市長は、「下町の風情を持った活気ある町だと思っています。淀川花火大会などで十三のブランドも上がっている。一方で商店街が非常に安易に無料案内所に店舗を貸してしまっている。大阪府警にも要望をしてきたところ、法改正がされるということで今は見守っています」とこたえました。大阪府では風俗営業に関する改正条例が可決され、来年4月から無料案内所などの特殊風俗あっせん事業者がラブホテルに客を送り届ける行為は規制されることになります。清水議員は、第七芸術劇場というミニシアターや、ウルフルズを輩出したライブハウスが十三にはあり、文化的でバランスのとれた町であったにもかかわらず、今は風俗案内所とラブホテルの町になってしまっていると指摘。また、政策企画室の発表した「今後のまちづくりの方向性(案)」の中に、梅田北ヤードや中之島エリアなどの開発、淀屋橋や本町、船場、扇町などの取り組み例が見られるものの、十三や京橋、鶴橋といった町の記述がないことを指摘し、市長の見解を問いました。

 平松市長は、「十三、京橋、鶴橋の町は、庶民的なものを残しながら、安心・安全なまちづくりを考えなくてはならない。行政と市民が一体となって防犯対策や不法駐輪対策を推進する」と答弁しました。

 最後に清水議員は、地域住民が区役所跡地に文化施設の誘致を求めていることも紹介しながら、「安心で、安全で、賑わいある、いつまでも住み続けられる十三をと願う、住民の願いにこたえることが大事。新たな条例を制定することも含めて大阪市が具体的手立てを講じなくてはならない」と陳情の採択を主張しました。

 9,223名の署名がこめられた陳情に対し、日本共産党だけが採択を主張。自民、公明、民主の各会派は継続審議としました。