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生活保護の引き下げやめよ

請願採択求め長谷議員が質疑

長谷正子市会議員       

 2008年1月25日

 1月25日に開かれた民生保健委員会で日本共産党の長谷正子議員は、「生活保護の生活扶助基準を引き下げないことに関する請願」をとりあげ、平松市長にただしました。

 厚労省は昨年10月に、「生活扶助基準に関する検討会」を開催、11月30日に「報告書」をまとめました。「報告書」は、厚労省が生活保護の引き下げをねらったもので、引き下げの根拠にしようとしていました。今回はじめて、生活保護基準の決定過程が公開の場で検証されました。

 長谷議員は、「検討会」の座長樋口美雄慶大教授ら委員5氏連名で、報告書の内容を説明する文書を出すなど異例の事態になっことを紹介、「検討会」の意見は、生活保護基準水準の押さえ方によって高い、低いが違ってくる。今の「水準均衡方式」で適切に比較できるのか、単純に比較していいのかという問題もある、引き下げで、生活保護受給者のこうむる痛手は大きく、これまでの水準を十分検討しなくてはならない、など、生活保護基準引き下げへの歯止めをかけたもので、政府の意図するものではなかったと指摘しました。

 長谷議員は、「検討会」も慎重にすべきと意見をあげた。反貧困ネットワークの人たちや請願者の生活と健康を守る会などが声をあげ、今回の引き下げは見送られたが、厚労省は断念した訳ではない。生活保護基準は、最低賃金や年金、住民税の課税基準などと連動し、国民生活全般にかかわる問題であり、政府が示す貧困ラインでもある基準を下げることは、保護されるべき人からも請求権を奪うものであり、憲法第25条の国民の健康で文化的な最低限度の生活が保障されるよう、大阪市として改めて国に生活保護基準の引き下げをしないよう求めるべき、と厳しく迫りました。

 さらに、長谷議員は、国の改悪で大阪市では母子で6,552件、老齢者で22,771件に支給されていた特別加算が削減・廃止となり、生活保護受給者のくらしはますます大変になったと指摘、大阪市が、二重措置だと廃止した夏期・歳末見舞金、交通費の割引、上下水道料金の減免は直ちに復活するよう、市にもとめました。合わせて、政府が緊急対策として打ち出した灯油代の助成についてもただしました。長谷議員は、寒冷地でなくとも八尾市でも実施している。大阪市でも生活保護世帯や低所得者に対しての福祉灯油を検討するよう、市に要望しました。

 また、長谷議員は、通院交通費や就労のための交通費などに支給される「移送費」の申請と支給について、正しく制度が適用されていない実態があると指摘し、周知徹底をケースワーカー等に指導するようもとめました。

 市長は、国に対しての要望は言い続けていかなければならないとしながらも、夏期・歳末見舞金等の復活や福祉灯油の実施については、市民の願いに背く冷たい答弁に終始しました。