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生活保護実施体制の確立に関する 陳情書の採択を求めて質疑 |
てらど月美市会議員 2009年6月24日 |
日本共産党のてらど月美大阪市会議員は、6月24日に開かれた民生保健委員会で、生活保護実施体制の確立に関する陳情書の採択を求めて質疑しました。 てらど議員は、今年に入り大阪市で生活保護の申請が急増する中で起こっている職員不足の問題は、保護行政を法令どおり円滑に実施するための障害になるだけでなく、相談・申請・訪問・自立支援など、ケースワーカーから支援されている被保護者やその対象者にも大きな影響を与えていると指摘し、必要な職員体制を確立して生活保護制度の円滑な運営を求めて質疑しました。 大阪市は、ケースワーカーを国の標準数(80世帯に1人)とせず、大阪市独自基準(一般担当は70世帯に1人・高齢者担当は380世帯に1人)を設け各区の職員配置を決めています。また、前年9月末の生活保護世帯数でケースワーカーの配置数を決めていることにより年度当初から職員不足が前提になっており慢性的な人員不足が続いています。 てらど議員が「生活保護世帯が急増する中で、ケースワーカーはどれくらい不足しているのか」と質したのに対して、健康福祉局は、「4月の段階で55人不足し、臨時任用職員で雇用したいと考えている」と答えました。 てらど議員は、「本市のケースワーカーを国の標準数に準じて試算すれば1051人が必要となる。しかし、現在の受付面接者を除いたケースワーカーは674名。新聞報道にもあるが業務に悪影響が出るのは当たり前ではないか」と厳しく指摘しました。また、申請してから10日過ぎてもケースワーカーの訪問がなく、手持ちのお金が底をつき4日間何も食べずにいたという相談者の事例を紹介し、「職員不足で法令に牴触する事態が起きている。充分な相談・面接体制があれば防げたのではないか」と質しました。 てらど議員は「淀川区で試算した場合、国の標準数でみればあと12名のケースワーカーが必要になる。すべての区で国の標準数と大きな差が生じており、大阪市の独自規準がケースワーカーを増やさない仕組みの要因になっている」と合わせて指摘しました。 てらど議員は、「ケースワーカーがいくら頑張っても、面接も訪問も自立支援も就労も充分にできない状態が続くことになると大阪市も認識しているのではないか。今年は国の補正予算を活用し55名の臨時任用職員を雇用するが来年以降の保障はない。国の標準数に近づけることによってこそ職員不足が解決できるのではないか」と当局に見解を問いました。 健康福祉局は、平成12年の地方分権の改革の中で地方に応じた配置を行うとされ、単身の高齢者が多いことや稼働年齢層にしっかりと自立の支援を行うことから市独自の考え方に基づいて保護の適正実施に努めていると答弁しました。 てらど議員は、「人員不足の中でケースワーカーの病気休職中・病気休暇者は1.7%に及び、市役所職員全体では1.1%ということからみても高い罹病率で大変な職場実態が想像できる」と指摘し、希望をもって保護行政に携われるようにケースワーカーのスキルアップとともに採用においては福祉の専門性を求めるよう強く要望しました。 健康福祉局は、福祉職を採用し、新規採用時の研修以外にも中堅職員等を対象にした本市独自のスキルアップ研修にもとりくんでいると答えました。 てらど議員は、「ケースワーカーは困った人を助ける大変な仕事。社会福祉法にもとづく80対1の職員配置で人員不足を補い、生活保護制度の円滑な運営を図るよう」あらためて強く要望しました。 |