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市民病院の経営は、その困難の根本に目を向けるべき

稲森豊議員が、北市民病院の売却などで平松市長を批判

稲森豊市会議員

2009年10月1日

10月1日に開かれた大阪市議会公営・準公営決算特別委員会で、日本共産党の稲森豊議員は、市民病院問題にかかわって平松邦夫市長をただしました。

 稲森議員は、自立的な経営が可能となり、企業体としての責任が明確になるなどとして、今年4月、市民病院に公営企業会計を全面的に適用したことを紹介するとともに、独立採算を原則として努力しても、経営が困難な場合、市の一般会計から繰り入れても差しつかえないという例外も決められていると指摘しました。また、関前市長のブレーンだった上山信一氏でさえ、監修した本の中で、公立病院は経営の舵取りが難しい事業であるとのべ、一般会計から投入してでも継続していかねばならない医療内容を行政は見極めるべきで、全国986の公立病院のうち、74%が赤字だとしていることを紹介しました。

 さらに、稲森議員は、平松市長が、市民病院についての従来の議会答弁で、「何で赤字出したらあかんのか」「公的な医療やからこそ守れる命というものを堂々と守っていこうやないか」とのべているが、公的病院として積極的に展開し、必要な場合には一般会計からの繰り入れもおこなうという立場の表明だったと指摘。今回、北市民病院を売却するという道を選択したのは、公的病院を守るのではなく、お荷物は切り捨てるという安易な道を選んだものだと批判しました。

 また、稲森議員は、市長が今年の3月に公表した「元気な大阪をめざす政策推進ビジョン」で、一番住みたい街大阪にという打ち出しをしているが、これを実現するためには各論が必要であり、市民病院はまさに市民生活にかかわる重要なテーマだと強調。命にかかわる問題をおろそかにして、住みたい街といっても空虚に聞こえるだけだときびしく批判しました。

平松市長は、「市民病院がその使命を果たしていくため、医療機能の選択と集中が不可欠であり、市民病院全体として医療機能の充実をはかっていく」などと答えました。

稲森議員は、北市民病院について、病院局は、すでに移譲先の募集を始めているが、その条件として、「北市民病院が現在提供している医療機能に加え、外科系を含めた総合的診療ができることが望ましい」としているが、その担保はあるのかとのべるとともに、北市民病院のスタッフは、十三市民病院に移すというが、医療の体制をきちんとひきつぐなど、血の通った病院行政に徹するべきだと主張。病院経営の困難は、国の医療制度の改悪に起因しており、これを不問にして、つじつまをあわせようとしても打開できず、問題の根本に目を向けるべきだと力説しました。