title

大阪医療センターの充実を求め、上野議員が質疑

上野とき子市会議員

2010年11月12日

 日本共産党の上野とき子議員は、11月12日の民生保健委員会で、「独立行政法人国立病院機構大阪医療センターの充実を求める意見書採択の陳情」について質疑しました。

 国立病院は、がん・循環器などの高度医療や研究とともに、重症心身障害、筋ジストロフィー、結核、感染症、災害、へき地医療など民間病院では困難な分野を担うという大きな役割を果たし、大阪市中央区法円坂にある大阪医療センター(698床)は、3大疾患をはじめエイズやC型肝炎などの感染症、高度救急救命医療、災害医療の分野を担い、医師をはじめ医療職の育成に努めるなど研修施設の認定も受け地域医療おいて重要な役割を果たしています。

 ところが、政府は「独立行政法人の原則廃止」を掲げ、4月の「事業仕分け」では国立病院に対して「経営合理化」を求める意見が出され、「事業規模の縮小、他の病院も含めた再編成の検討」などのとりまとめがされました。

 上野議員は、「2004年に独立行政法人化される際にも陳情が出され大阪医療センターの充実について議論となったが、今回政府が『事業仕分け』の対象とし、さらなる存続の危機が問われる非常に深刻な事態」と指摘しました。

 続いて、上野議員は、「事業仕分け」が病院の診療事業にまで踏み込み、評価委員14人中7人が「事業規模を縮減」と評価していることについて、「地域医療が崩壊しかねない中で安心して医療を受けたいと願う国民の思いとかけ離れている」。「僅か2時間足らずで国立病院のあり方を議論し評価する手法は余りにも乱暴」と厳しく批判しました。

また、「国民の立場でむだ遣いを是正することは必要だが、国民の命や安全にかかわる国立病院については必要な予算措置が求められている」と強調しました。

 健康福祉局は、大阪医療センターについて、「国の政策医療を担い地域支援病院として重要な役割にある」と答えましたが、国に対して意見をあげることについては、「事業仕分け」で具体的な検討はまだ行われていないという認識に立ち、「今後とも国の動向を注視していきたい」と答えるにとめました。

 上野議員は、「動き出してからでは遅い」と指摘。「採算を度外視してでも国民の命を守るのが国立病院の役割」と再度強調し、「大阪医療センターの充実を図るため、必要な予算を確保するなど国に対して意見をあげるよう」強く求めました。

 陳情は、日本共産党が採択を主張、他党派は継続審議としました。

 なお、12月14日の本会議において、「独立行政法人国立病院機構大阪医療センターの機能維持に関する意見書」(共同提案)が全会一致で採択されました。