title

 

井上ひろし市会議員

2009年11月20日

 11月20日、大阪市議会財政総務委員会が開かれ、日本共産党の井上ひろし議員は、市職員の給与に関する条例改定について質疑しました。

 大阪市の人事委員会は、本年9月、市職員の給与を月額0.29%、ボーナスを0.35カ月それぞれカットする勧告をおこない、勧告通りに改定する条例案が11・12月市会に提出されています。

 井上議員は、日本と大阪の経済がきびしいなか、公民が賃下げ競争をやっていては、職員の消費マインドを冷え込ませるなど、景気の回復にはつながらないと指摘。この問題は、公務労働のサービスを受ける市民の問題でもあり、公務の質が悪化し、市民サービスの低下につながるとのべ、大阪府が府の人事委員会勧告の実施を見送ることにしたように、大阪市も職員の賃金のカットはやめるべきだと迫りました。

 また、井上議員は、雇用の問題が焦眉の課題になっているなか、いかに雇用を確保し、安定させていくかという観点からも賃金問題をとらえる必要があり、大局的にどういう影響を及ぼすかを多面的によく考えて政策決定をしなければならないと強調しました。

 次に、井上議員は、職員は市の資源、財産であり、賃金をカットすれば、平松市長が言う「市民協働」の先頭に立たなければならない職員のモチベーションが維持できるのかと市長をただしました。市長は、「意欲をもってがんばった職員がむくわれるという改革をすすめてきた」、などと開き直った答弁をしました。

 さらに、井上議員は、今回の改定で、大阪市の給与水準が政令市中最下位になることを紹介。職員のモチベーションをさらに下げ、仕事への誇りと意欲を失わせ、市を背負っていく人材が失われることになると批判しました。市長は、「きわめてきびしい財政見通しがあり、負の遺産への市民のきびしい目線もある」などと答えました。これに対し、井上議員は、市長に求められているのは、これまでの失政のつけ、負の遺産を職員に負わせることではなく、これまでの誤った政策を大胆に見直すことが市長に課せられた責務だときびしく指摘しました。

 最後に、井上議員は、月刊誌『ガバナンス』の本年4月号の平松市長へのインタビューで、公務員としてふさわしい仕事をやれば市民からも苦情は出なくなるなどとのべていることを紹介。公務員にふさわしい仕事ができ、市職員全体の意識改革、体質改善がはかられていけば、給与にも反映していくというメッセージととらえていいのかと聞きました。

 市長は、「給与の引き上げを約束できる財政状況ではない」などと、冷たい答弁に終始しました。