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井上ひろし市会議員

2009年12月15日

 15日に開かれた大阪市会財政総務委員会で、日本共産党の井上ひろし議員は、一般職の任期付き職員を採用する市の条例案について、反対の立場から、平松邦夫市長をただしました。

 井上議員は、大阪市では臨時的任用職員という制度で、保育所をはじめすでに396名の職員が従事していることを明らかにし、今回提案されている制度はそれとどこがちがうのかと質問しました。理事者は、臨時的任用職員は最長1年、臨時的補完業務に従事しているが、一般職の任期付き職員は一定の期間に終了が見込まれる業務や一定の期間内に限り業務の増加が見込まれる業務に最長3年の任期で任用する制度だと答弁しました。

 井上議員は、そうした前提に照らすと、一定の期間内に終了が見込めない業務や恒常的に増え続ける業務は対象外になると指摘。生活保護のケースワーカーが想定されているが、ケースワーカーのように、期限のない仕事に期限をつけて雇用するのは問題であり、正規職員できっちり対応するべきだと強調しました。

 また、大阪市は生活保護行政の合理化を検討課題にしているが、生活保護世帯の激増は社会情勢が背景にあり、業務を合理化すれば被保護者が減るというものではなく、任期付き職員を採用することとの整合性があるのかと指摘。場当たり的な対応では根本的な解決につながらないと批判しました。

 さらに、井上議員は、不安定雇用・非正規雇用という働かせ方が社会の一大問題になっているなか、任期付き職員の採用は市政の質的な向上に寄与するのかと平松市長に質問しました。市長は、「ケースワーカーの不足に、当面の間、緊急的に任期付き職員の活用をはかることが必要」などと答えるにとどまりました。

 井上議員は、生活保護行政のような現場では、核となる人材をいかに育てるかが重要にもかかわらず、モチベーションの低下により若い職員が定着しないばかりか、管理職もケースワーカーの経験がないというケースが増えていることを示し、こうした現場に任期付き職員を配置して業務が円滑にすすむのかと指摘。専門性を必要とする現場での要員不足は、専門職、正規職員の配置で解決することが必要だと強調しました。