大阪市職員とともに議員の「厚遇」が問われている大阪市議会で、一人あたり約115万円にのぼる豪華「海外視察」を2003年の改選後、04年2月と同9月の2回にわたって、自民、民主、公明、無所属の市議計30人がおこなっていたことが23日までにわかりました。日本共産党はこの視察に参加していません。同議会事務局によると、今年8月ころに同様の2コースの海外視察が予定されています。
海外視察の「帰朝報告」などによると、04年2月の視察は、アメリカのニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの各市。自民5人、民主5人、公明3人、無所属1人の計14人が10日間にわたって訪問。9月の視察は、ブダペスト(ハンガリー)、ミュンヘン(ドイツ)、ベネチア(イタリア)の各市。自民9人、民主4人、公明3人の計16人が10日間にわたって訪問しています。2月、9月とも市職員2人が同行しています。経費総額は、2月が1518万円、9月は1942万円。
2月の視察の場合、一人あたり平均108万円、9月が121万円です。この経費には2月約15万円、9月約14万円の「土産代」も含んでいます。
議会事務局によると、市議には四年間の任期中に一回、公費で海外視察を行う“慣例”があり、行き先は各議員が北米、北欧、南欧、アジア・オセアニアの4コースから選ぶことになっているといいます。
これら自、民、公などの海外視察について、2004年11月には費用返還の住民監査請求が出されました。監査委員による2004年12月の「住民監査請求に係る監査の結果について(通知)」には、2月の視察時の「土産」は、テーブルセンター8枚、名刺入れ5個、キーケース12個であることを記載。また、期間中の2月7日は土曜日にあたることから終日文化施設(メトロポリタン美術館、アメリカ自然史博物館)の見学にあてていることを明らかにしています。
大阪市の監査委員はこの請求について、「請求人の主張には理由がない」と結論づけながらも、「現在、本市においては、非常に厳しい財政状況に直面しており、…議員の海外出張についても、その内容や実施方法の検討がなされることが望まれる」と指摘しています。
共産党 参加せず見直し主張
日本共産党大阪市議団は、海外視察は真に必要な場合に限るとともに、参加者数、出張日数も必要最小限とするなど抜本的見直しをはかることを繰り返し主張。今年度は中止することを求めています。党議員団は1994年以降は、海外視察に参加していません。
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