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第2回特別区設置協議会での

山中議員の発言(要旨)

山中智子市会議員

2013年4月12日

2013年4月21日付大阪民主新報記事

○山中議員の発言要旨

 区割り案について日本共産党大阪市会議員団の考え方ということで提出をさせていただいています山中議員提出資料

 我々は改めて申し上げるまでもなく、この特別区設置、あるいは都構想には反対ですので、区割りの議論というものは望むものではありませんけれども、こうして法定協議会が設置をされたうえでの議論でもありますので、この今回のご提起に関わって私達の考えを申し上げておきたいというふうに思います。

 今、会長のほうから前回の事務局提出資料の考慮した項目に基づいて、論点整理、提案がありました。項目が多岐にわたる中で、そういう整理は理解はできるんですけれども、そもそもこの項目、考慮すべき項目がこれでいいのかなという思いなど意見や疑問もありますので申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、1ページですけれども、事務局のほうで整理をされている、この「人口規模」をはじめとした項目ですけれども、まず1つは、今、会長からもお話しがありましたように「人口規模」は確かに事務分担だとか財政調整だとか職員体制などに大きな影響を与えるという問題もありますけれども、どっちが先なのかというあたりはすごく難しいと思うんですね。これだけの事務を特別区が担うべきだからこの規模がいるという議論もあるでしょうし。ですからなかなか今、自治体の最適規模という定説がない中で、「人口規模」というものをどのように議論していくのかなという疑問があります。

 それから「集積性」についてですけれども、これはまさに北区と中央区を合体するべきかどうかというあたりで「集積性」が一番問題になってきていますが、そうなると例えば、第9回の新たな区移行PT会議で、水谷天王寺区長ですね、区長を代表したPTのメンバーの方がおっしゃっている、その「雄藩連合だ」と。北と中央をくっつけると、それで、「財政のスケールメリットを持って、大阪市内のセントラルエリアということで、景気浮揚も図っていく」ということからこの「集積性」というのが着目されているのだとすると、やっぱりそのその基礎自治を担うという区において、こういう意味での「集積性」の着目にどんな意味があるのかという疑問があります。

 それで、この同じ第9回の会議の時に金井特別顧問がこの区長PT試案に対して寄せておられる意見の中でも、「やさしい区による区民サービスの充実というよりは、区という小さな単位での開発プロジェクトばかり考えているのではないか」という意見を寄せておられますけれども、この「集積性」というものに着目する意味がよく理解できません。

 それから「地域性」についてですけれども、これは確かに歴史的に経過もあるでしょうけれども「地域性」を検討するとすれば、やはり、今現在くらしておられる住民の皆さんの意識とか実態をきちんと把握をして、まさにそのいろんな形でこの問題については住民の意見を集約しながら考慮をするべきではないかなというふうに思います。

 また、「移動手段」についてですけれども、これは今もちょっと出てましたけれども、かなり不確定な要素も移動手段といえばありますし、非常に重要なことではありますけれども本当に言い出したらきりがない問題でもあると思うんですね。同じ区域の中で、どこに行くのに一番便利なのがいいのかというのは一人一人にとっても違うでしょうし、かなりこう言い出したらきりがないという意味で論点としては難しいのかなという思いもあります。

 それで2ページですけれども、そういう中で私達の考える考慮すべき点というのを今日は申し上げておきたいと思います。

 それは、やっぱり市民のくらしや市民サービスがどうなるかということが一番軸にするべきではないかというふうに考えておりまして、その観点から、ぜひ次のようなことも考慮に最初から入れるべきではないかと。

 まず、財政力の格差です。

 次のページに事務局が提出していただいている資料をちょっと組み換えたものをお出ししていますけれども、各区割り試案によって、例えば一人当たり税等の最大格差がどのくらいになるかということを見ますと、最大で試案2の5倍、最小でも試案3の3.1倍ということで最初から大きな格差があると。財政調整が行われるということは承知していますけれども、しかしそれでいいのかっていうのは議論は当然あると思うんですね。

 ここにちょっと掲載しておきましたが、これも第9回の新たな区移行PTの会議ですが、これは赤井特別顧問が、これは北と中央を分けるかどうかという話の中でですけれども、「基本的には、生活レベルというか、生活水準のところへの『ニア・イズ・ベター』という形で見ているわけですから、あまり格差をつけないようなところでみんなで競争し合う。初めから格差があり過ぎると競争し合うというところが削がれてしまう」というご発言がありますが、私も全くその通りだというふうに思います。

 だとすれば、最初から財政力の差をどこまで許容するのかっていうのもやっぱり検討が必要じゃないのかな。5倍や3倍でいいのか。我々は1.5倍位じゃないかというふうに思うんですけれども、こういうこともやっぱり検討するべきではないかと思います。

 さらに、イニシャルコストですね。特別区の立ち上げのコストも、将来的にこれは市民負担になっていきかねないことを考えますと、各区割り案のときのコストを想定をして、これも検討の対象とするべきではないか。あるいは、財産や債務の格差というのも、極々一部ですが最後のページに、これは市営住宅とか公園面積程度、あと保育所、幼稚園ですね。これなど、例えば、市営住宅なども試案1であれば7.4倍、試案2であれば7.7倍という差が開きます。これは財産の差にもなるし、すごく地域性が偏っていくという問題もあると思うんですが。こういうものだとか。あと、例えば、塩漬けになっている未利用地なんかは土地もあるけれども大きな債務も抱えていると思いますし。あるいは各区の区長舎なんかの新しさによって負っている債務って違うと思います。例えば、城東区なんか今ちょうど建て替えをしていますが、この借金はどこがこれから払っていくかというあたりも、やっぱり大きな方向性は持たないと区割りということを検討はしていけないんじゃないかな。そういうことを検討しておかないと市民のくらしに大きな影響が出るのではないかと。今回の提起に対してはそういう意見を我々は持っています。以上です。