title

市民サービス切り捨ての住宅局長マニフェスト

計画消防委員会で稲森豊議員が追及

稲森豊市会議員

2006年1月27日

127日、大阪市会計画消防委員会が開かれ、日本共産党の稲森豊市会議員は住宅局長マニフェストの内容について質問をおこないました。

今回の住宅局長マニフェストの主要な部分は、関市長の市政改革路線にそって財政危機を理由に市民サービスを見直しという名によって切捨てる、あるいは縮小しようとするものです。

稲森議員はまず、新婚家賃補助制度の見直しについて、マニフェストでは市内の家賃水準の低下や、新婚世帯の収入状況が変化しているので補助金を削減しようとしているが、もともとこの制度は家賃が下がれば補助金も減少するシステムになっている事、そして現在多くの新婚家庭は雇用不安などで収入が減っており補助金を減らす事は道理に合わない。またこの補助金制度は賃貸マンションの所有者にとっても入居促進の効果を持つもので、補助金を減らせば入居者が減りマンション所有者のローン返済にも悪意影響を与える。制度改悪ではなく就学前まで支給期間を延ばすなど制度を改正して子育て層のいっそうの定着と町の活性化を計るべきであると主張しました。

次に、市営住宅の家賃未収者の対策として大阪市が警察OBの採用や、未収の回収を民間に委託するなど取り立て体制の強化を計ろうとすることについて、未集金の回収は大切だが、一方では市営住宅に社会的弱者を集中させたり、滞納すれば損害金を上乗せして、返済が困難な状況を作り出すなど整合性の無い事をやっていることこそ問題である。日頃の決めこまやかな相談や管理体制を強め、取立てよりも滞納を未然に滞納発生を防ぐ事に重点をおくべきであると主張しました。

また、土地の有効利用と言う名目で建替え用地を民間に売却しているが、そのほとんどは民間分譲マンション建設にあてられている。これでは本当のコミニケーションは図られない。それよりも市営住宅を建設し、収入基準を緩和し、活力ある世帯の入居を促進する事が本筋であると主張しました。またこの間、住宅局が民間のマンション業者に売却している土地の値段について市場価格と比べ安価すぎるのではないかと指摘しました。

また、平野区でも進められているHOPEゾーン計画について、町の特性を生かす町づくりとして重要な施策である。平野区ではだんじりちょうちんが似合う町づくりが住民のみなさんの努力で進められているが、一方では突然高層マンションが建設され、景観や、調和が損なわれ、住民のみなさんが抗議しても、大阪市は全く規制しようとしない。これでは良い町づくりにつながらない。こんご身勝手な開発を規制する手立てを講ずるべきであると要求しました。

また、市営住宅の入居募集の方法を抽選制度から、住宅困窮の度合いを勘案する選考に変更しようとしている問題について、抽選によらない入居者選考を採用するとしても、真に住宅を必要とする世帯が100%適格に入居出来るような公正な制度にすべきで、結果として、恣意が働いたり、入居者希望者を切り捨てるようなことになってはならないと釘をさしました。

また、改革をすすめるために職員の意識改革や職場改善運動を進める事に関して、言葉や形だけにとどまらず、本当に遠慮の無い意見を提案出来るような風通しの良い職場環境が保証されなければならない。批判的な意見を言えば、封殺されたり、不利益な差別待遇を受けるようなことでは真の意識改革や職場の改善はできないであろうと主張しました。

最後に、改革提案のいろんな場面に、審議会など第三者機関を設け、外部の専門家や学識経験者などの意見を聞くという表現がされているが、この場合いわゆる御用学者やちょうちん持ちと言われるような当局に都合のよい考え方を持つ者ばかりを採用していてはダメである。客観的にアウトサイダーとしてきっちりとした意見を言う人材を充てるべきであると要請しました。

これに対して住宅局山田昇庶務課長は「今回の改革マニフェスト案は、日常の各部門のこれまでの事業と事務を改革の視点で点検し、その中で明らかになった課題を解決するため、具体的な取り組みや達成を取りまとめたもの。今後、改革マニフェストを着実に実施するためには、職員への確実な情報の伝達や、個々の職員が担当している業務につきまして、活発な意見交換が必要だと考えております。それらを行う場と致しまして、課内会議が果たす役割が大変大きいものと考えておりまして、住宅局では昨年11月に課内会議開催ガイドラインを制定いたしたところです。今後、課内会議を積極的に活用いたしまして、風通しの良い、活気ある職場に努め効率的、効果的な業務執行に勤めて参りたいと考えております」と答弁しました。