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大阪市は市営交通の原点にたちかえるべき

共産党下田議員、地下鉄・バスの民営化論を批判

下田敏人市会議員

2007年1月24日

24日、大阪市議会の市政改革特別委員会が開かれ、交通局が出した「大阪市営交通事業の経営形態の検討について(交通局最終とりまとめ)」にかかわって、日本共産党の下田敏人議員が関淳一市長をただしました。最終とりまとめでは、「改革型地方公営企業」と「市出資株式会社」(または民間資本株式会社)の2案が「将来にわたって持続可能で発展性のある経営形態である」としています。

「市長はこれからどういうスタンス、スケジュールで方向性を出そうとしているのか」と下田議員が質問したのにたいし、関市長は、「2つの案をもとに今年度内に方向性を決める」と答弁。下田議員は、市民の声の反映である議会のこれまでの議論をふまえて決めるべきだと求めました。

また、下田議員は、2つの案は職員の大幅削減や給与のカットで働く意欲を低下させるとともに、バス路線を縮小して市民の足を奪い、地下鉄の延伸は検討しないなど、いずれも後ろ向きであり、どうして“発展性のある経営形態”だと言えるのかと批判しました。

とりわけ、株式会社化については、公共の福祉の増進を目的にした企業体から営利を目的にした組織に変えることだと指摘。“余剰人員”を大阪市がかかえた場合の給与と退職金、起債の償還にかかわる国からの地方交付税カットなどで、市の負担がシュミレーションより1463億円も増えるという独自の試算を示し、「改革型地方公営企業」よりも「株式会社」の方が市の負担軽減をはかれるという“最終とりまとめ”はまちがいであることを明らかにしました。

そのうえで下田議員は、大阪市の、特に地下鉄は昭和8年以来、市民の利用料と税金で営々と築き上げてきたもので、公営でなければできない事業であり、市民の足の利便をはかり、環境にも資し、つりあいのとれた街づくりをすすめるという市営交通の原点に今こそたちかえるべきだと強調しました。関市長は、「出発した時点とは状況が変わっている。公営堅持ばかりとは思っていない。いろんな選択肢を探していきたい」と答えるにとどまりました。