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第31回法定協での山中議員の発言

山中智子市会議員

2019年12月26日

協定書案の作成に向けた基本的方向性の採決にあたって、日本共産党の意見を申し上げます。

 この間、前回まで30回にわたる法定協議会での議論を通じて、大阪市廃止・分割、いわゆる「都構想」なるものが、時代錯誤の代物であり、いかに市民にとって有害無益なものであるかが、よりはっきりしたと思います。

 そもそも都構想とは、ただただ大阪市を廃止して、市の持つ財源・権限を府に取り上げるものにほかならない。ここにこそ本質があります。

それは、かつて橋下徹氏が、知事を辞職して市長選挙に出馬する際、「大阪市をぶっ潰す」と繰り返したことに象徴されていますが、この間の議論で、まさに、特別区や特別区民がどうなるかなどはどうでもよく、大阪市をつぶすことがすべてだということが、いっそう、はっきりしたということです。

 あらためてではありますが、国から地方へ、府県から基礎自治体への地方分権、権限移譲は大きな流れであり、当然、全国の基礎自治体が権限の獲得・拡充をめざして、今や政令市は20市にも及ぶとともに、中核市も全国58市に達していることは申し上げるまでもありません。

こういうなかで、こともあろうに人口規模で全国第二の政令市をとりつぶすなどということは、地方分権の流れに逆行する最悪の地方自治破壊の暴挙と言わざるを得ません。

 すなわち、「広域的」というレッテルを貼って、大阪城や大阪城天守閣、天王寺動物園、鶴見緑地、長居競技場、博物館・美術館など貴重な財産とともに、消防や水道や下水道などといった基礎自治体本来の業務までも含む428もの事務事業を府に移管して、組織としては巨大な大大阪府ができあがります。しかし、個々の事業の権限や予算が増えるわけではありませんから、充実するわけでもなんでもなく、何ら府民にとってプラスにはなりません。それどころか、大阪府内全体の広域行政に責任を負うべき大阪府が、大阪市域のみに限定される消防、水道、下水道などの基礎自治体の事務事業まで担うという、非常にいびつな体制ができあがるということです。

 もとより、このような制度いじりで大阪の成長や活性化がはかられるものではなく、ましてや府と市が並立しているゆえに発展しないなどと言うのは、全く根拠がありません。そんなことを言えば、横浜も名古屋も京都市も神戸もつぶさなくてはならないという理屈になってしまいます。 

 一方、大阪市をなくしてつに分割して設置される特別区たるや、平均67万人と、堺市を除く府内のどの自治体よりも大きな基礎自治体であるにもかかわらず、市町村の基幹税目である固定資産税や法人市民税等を府にもっていかれるとともに、地方交付税すら直接あたらないなど、極めて自主財源が乏しいうえに、自ら水道・下水道などの事業も運営することもできなければ、消防組織も持てないという、まさに一般市にも満たない“半人前の自治体”に成り下がるということです。

 そのうえ、330人の職員増や、住基ネット等のシステムの改修。そしてその運用経費の増など、市民にとって全く無駄な費用が発生するわけで、いきおい住民サービスは削らざるを得なくなるということです。

まさに踏んだり蹴ったりで、たとえ、大阪府から毎年20億円10年間補填されたとしても、コスト増の穴埋めさえできないし、ましてやいくら住民サービスの水準を維持するなどと協定書に書いたとしても、特別区としては、ない袖は振れないということになってしまいます。

 加えて、なすべき庁舎建設も行わず、各区役所などに職員を詰め込んだうえ、なお、入りきれない職員は中之島庁舎に配置し、都合3つの特別区の職員を同居させる、間借りの合同庁舎などというに至ってはもはや何をかいわんやだと申し上げたいです。

 災害時どうするのか、日常業務ができるのか。こういうこともありますし、住民はいったいどこへ行けば目的が果たせるのか右往左往しなくてはなりません。何より地方自治体の職員は、住民とともにあるべきなのに、その自治体に住んでもいなければ通勤もしない、その自治体に足を踏み入れることもなく暮らしている。そんなことで、地域の問題点や住民の願いや思いがわかるはずがないと思います。 

 そのうえ、特別区議会議員の定数も、現行市会定数の83にとどめるという始末で、中核市や東京特別区の分の1以下なわけですから、区民の声を区政に反映しづらくなるということにほかなりません。結局、住民サービスを維持できなくなることといい、自前の庁舎をもてないことといい、二元代表制のもと、一方の区民代表である議員の定数が少なすぎることいい、もろもろ、ニア・イズ・ベターは看板倒れどころか、地方自治体の体すらなしていないと言わなくてはなりません。 

 尚、東京特別区がせめて一般市にと長年、運動し続けていることを想起すべきと申し上げておきます。 

最後に、大阪都構想すなわち、大阪市を廃止し、つの特別区に分割することは、まさに百害あって一利なしです。

 仮に住民投票が実施されたとしても、党派を超えた幅広い多数の市民の皆さんと力を合わせ、キッパリと否決して、文字通りピリオドを打つために全力をあげることを表明して、“方向性”への反対といたします。