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下田敏人市会議員

2006年11月27日

 11月27日に開かれた大阪市議会建設港湾委員会で日本共産党の下田敏人議員は、市が計画の西区、長堀抽水所雨水帯水池築造は、地元住民が要望する長堀抽水所の臭気問題を解決させた上で、地元関係住民の納得と合意とをえて進めるよう強く求め質疑しました。

 市は、長堀抽水所は中央区及び西区の一部を排水区域とし、晴天時の汚水と雨天時の排水区域内の雨水を津守下水処理場に送水するポンプ場である。本市市域の97%は雨水、汚水を一本の菅渠で排除する合流式下水道であるが、雨天時に流入する下水の量が晴天時の一定の倍率を超えると下水が川などへ直接放流され、長堀抽水所では雨水とともにゴミの一部が木津川へ放流されるなど水質汚濁の原因の一つとなっている。計画中の雨水帯水池の完成で大雨の際、汚れを比較的多く含む降雨初期の下水を一時的に駐留させ降雨終了後、貯留水を津守下水処理場に送水処理することで木津川の水質改善が図れる。場所は長堀抽水所に隣接し、臭気対策を十分に施し、敷地内には緑を取り入れ、近隣住民の居住環境に出来る限りの配慮を行なう。また事業費は約40億円で事業期間は平成17度から平成21年度までの4年間だと答弁。

 下田議員は、木津川の水質改善を図るというが環境白書によれば、平野区の川と比較してもずいぶんきれいで、BODも2rパワーリッターと環境基準をクリアーしており水質改善の緊急性があるとはいえない。また雨水貯留量が2万トン程度であり、帯水池による分流式と同じ程度の効果があるという説明は非科学的だ。逆にこの効果をめぐり大阪市への不信が広がっている。これまで市は地元説明会などで雨水帯水池だから雨水を溜ると繰り返し説明した。ところが下水交じりの濃い水である事が判明。さらに2万トン中に於ける汚水の割合を聞かれ4%と回答、しかし後から15%だと変更する。大事な問題できちっとした回答をせず住民に大きな不信を広げた。さらに9月3日の西区区民センターの説明会では出席した住民に対し、堀江の連合町会主催だから、それ以外の人たちは退席してくれと都市環境局の局員が発言、抗議分が提出される事態を招いた。住民の気持ちを大事にする態度に欠けている。しかし一番の大きな不信の原因は長堀抽水所の悪臭問題である。30年来解決していない。この問題を解決しないで帯水池築造を迫っても住民は納得しない。抽水所の臭気問題をどのようにあつかってきたのかと質問。

 市は、長堀抽水所の臭気対策は、昭和55年度に沈砂池にフタを設置し、平成8年度以降は沈砂池から発生のゴミを溜める施設を改造したり、沈砂池・西側に上屋を架ける等の工事を行なってきた。今回、残る東側の沈砂池の上屋を建設する。これまで臭気問題は、大阪市全体、下水道施設全体の問題として順次、臭気の強い所から対策を進めてきたと答弁。

 下田議員は、抽水所東側の沈砂池の上屋建設など、こうした対策をなぜもっと早くしなかったのか。今回、帯水池の築造計画が出されあわてて工事を始めたと疑念、怒りが出ている。グランドメゾンマンションの北側の住民にすれば、10m位の建物がすぐ6m先に出来る事になりこれまでの環境がずいぶん変わる。市は住民に事業期間が4年間も必要な工事の受任を押し付けるわけであり住民が心配されるのは当然だ。今後、抽水所の抜本的な対策はすぐやるとともに、帯水池の建設はこの抽水所の臭気対策が終了してから行なうという度量を大阪市が示す事が重要であると市の姿勢を厳しく問いました。

 陳情書の扱いは日本共産党は継続審査を主張しましたが、与党が不採択を主張。よって不採択となりました。