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関空への税金投入、空港島の地盤沈下と東南海地震などの災害対策

稲森議員計画調整局の責任を問う

稲森豊市会議員

2007年3月2日

 32日、大阪市会計画消防予算委員会が開かれ、日本共産党の稲森豊議員は、関西国際空港に関して質問をおこないました。

大阪市は来年度も関空会社に対して出資金14600万円と関空利用促進事業12200万円を投入する予算を組んでいます。

稲森議員は、市民の生活保護費を削減するなど経常経費すら削減しなければならないような財政事情のおりに、民間の空港会社に税金を投入すること事態が問題ですがとりわけ税金投入の理由が問題だと指摘しました。

大阪市はこの間、関空の2期空港島建設および2本目の滑走路の建設について、1本の滑走路では発着陸の処理能力が不足するとして、多くの批判を抑えて公金を投入してきました。当初、平成12119日には、2期滑走路供用開始後の経営見通しについて、一番厳しい予想で、2007年度には総発着回数16万回と予測し、処理能力を超えるからと説明していました。その後も様々な口実を設けて税金を投入して続けてきました。その後、総発着13万回と下方修正し、最近では、ヘリコプターも発着数に計上していると報道があります。

稲森議員は、一本の滑走路ではキャパティシーが不足するからと、2本目の滑走路を作るために税金を投入してきたにもかかわらず、今は発着数が足りないからといって、利用促進のために税金を投入し、その経緯の総括も反省の弁もない。まさに議会を欺く行為だ。なぜ緊迫財政のもとで、そこまで民間空港会社に公金をつぎ込まなければならないのか。関空会社の言い分を、そのまま受け入れて、議会で説明してきた計画調整局の責任が問われると同時に、今後一切、関空に対して税金を投入すべきでない」と追及しました。

次に稲森議員は空港島の地盤沈下と東南海地震などの災害対策についても質問しました。

最近、関空会社が発表した第1期空港島の地盤沈下報告によると、現在も沈下が続いており、それは洪積層の沈下によるものであると説明されています。

稲森議員は、空港島の埋め立てに携わった専門家も、沖積層は蜜圧によって今後沈下する心配は無いが、洪積層が眠りを覚ますのが心配だと述べていたことに対して、大阪市として、これらの事態をどのように判断しているのか。また、最近発表された中央防災会議の東南海地震による被害予測や日本建築学会、土木学会の直下型地震による被害予想では、津波は関空島付近で5mに達する可能性があり、地震によって空港島が破損するおそれもあるとされているが、大阪市はどう判断しているのかと質しました。

計画調整局の交通空港政策中谷充宏課長は「高潮に備えて護岸かさ上げ実施中。津波は2期島が1期島の防潮堤の役割を果たし、一期島には影響低い。関空会社は大阪府の地域防災計画の改定を受けて対策を検討する」と答弁しました。

稲森議員は、関空会社の説明を聞くだけでなく関空に出資している大阪市としても、独自にきっちりと事態を調べるべきであると厳密な対応を求めました。