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関西国際空港と大阪国際空港との経営統合について |
稲森豊市会議員 2011年2月10日 |
いなもり豊議員は2月10日、大阪市会計画消防員会で、国土交通省が発表した「関西国際空港と大阪国際空港との経営統合」の考え方と関連法案についての大阪市の見解(資料1)を質しました。 これらは関空と伊丹の両空港の事業価値を最大化することを目的としたというもので伊丹・関空両空港の滑走路等の施設を一体的に運営する統合事業運営会社を新たに国が設立し、現在の関空の土地は別に設立される関空土地保有会社が統合事業運営会社に貸し付けるという上下分離方式を採用するものです(資料2)。 そして統合会社の運営権は将来民間に売却する(コンセッション方式)という計画です。 いなもり議員は現在大阪市だけで関空会社に出資金と貸付金計700億円の税金を投入(資料3)していることを確認したうえで、この案は自治体や企業からの債務を引き受ける土地保有会社のリスクが一番大きいと思われるが今回設立される二つの会社のバランスシートについてどこまで議論されているのか?と質問しました。 大阪市の担当課長は「コンセッションを実施する試算結果」(資料4)が出されている。土地保有会社の円滑な債務償還が大前提で法案にも必要措置が明記されている」と答弁。 稲森議員はバランスシートも定かでない、試算結果も今の両空港の収益を1.5倍から1.9倍にしなければ履行できない内容でこのスキームは絵に描いた餅である、関空前社長の村山敦氏が「国交省は関空の有利子負債のうち4割を上物会社に移すといっているが現在の伊丹空港だけの収益では補給金分にもならない。下物会社は元金の返済能力はない。今回のスキーム(資料5)では財務構造の改善は何もない」と統合案に苦言を呈していることなどを紹介し統合案を批判しました。 さらに稲森議員は関空が抱えている問題は2つある。ひとつは将来の航空需要が不確定であること、2つには関空2期島はまだ完成しておらず今も沈下途上で(資料6)どこまで沈むか不明。土地保有会社は単に空港島の維持だけでなく、建設費も必要、30年以内に発生する可能性が高いと言われている東南海地震による被害も想定される、土地保有会社だけではまかないきれないことは明らかである 第一種国際空港は国が責任を持つことが基本であり大阪市は一民間空港会社である関空にいかなる名目であろうとこれ以上公金を投入すべきでないというのがわが党の基本的な立場である。国はもっと悩むべきで、関空をハブ空港にと言うような不確実な幻想は捨てるべきであるとの批判的見解を述べました。 |