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 一般決算委員会でのIR・カジノ、夢洲土地問題についての

山中議員の質疑(要旨)

山中智子市会議員

2022年11月10日

 

※一般決算員会での質疑を、議員団事務局で文字起こししたもので、正式な記録ではありませんのでご了承下さい。

山中委員

 IR の夢洲誘致についてお聞きいたします。IR については、今国の審査が行われているのか、行われようとしているのかということだと思います。

 でもね私大阪府や大阪市、大阪府が申請したわけですがもう国に手をあげちゃったからおしまいではないと思うんですよね。

 もう市民の皆さんの間では国交省・国に対して夢洲の IR は認可しないようにしてくださいっていう署名運動がやっぱりすごく一生懸命取り組まれていますし、土壌対策などに790億円を支出するのは違法だとして、夢洲 IR の差し止めを求めるという訴訟の提起をされているという状況です。

 この間 IR のことはもう本当に質疑してきましたが改めてお伺いしたいというふうに思います。

 区域整備法では何度も繰り返しますが、これは国内外からの観光客の来訪及び滞在を促進することが一層重要となっていることに鑑み、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実施する、としてその目的もうたわれていますし、ですからこの間は皆さんもそれを受けて、世界中から新たに人・モノ・投資を呼び込むと、こういうふうに言って来られました。

 これが最大の謳い文句ですね。世界中から新たに人・モノ・投資を呼び込む。でところがここへ来てってか、もう去年ぐらいからですけれども、まあ例えば IR 事業者が外国人観光客を見込まずにプランニングしているっていうふうに言ってみたりとか、外需が無くても内需で成り立つ施設とか、そういう声が色々聞かれるようになってきました。

 いったい国際観光拠点作りはどこに行ったのかというふうに言わざるを得ません。ずっと皆さん口では世界で類を見ないエンターテイメントっておっしゃってましたが、その実本音ではそんなものできっこないとふうに思っておられたんじゃないですか。

 

IR推進局那須副理事

 大阪 IR では一兆円規模の初期投資により、国内最大規模の国際会議場に加え、スポーツイベント等も開催可能な展示ホールが一体となった複合型 mice 施設の整備。さらには最高級の宿泊施設や大阪 IR の象徴となるような世界トップクラスのエンターテインメントなどを通じて、あらゆる来訪者に新鮮な驚きや感動を提供し、ビジネス客からファミリー層まで世界中から新たに多くの人を呼び込むこととしております。

 大阪 IR の立地より年間2000万人の来訪者。そのうち600万人のインバウンドを読み込み、これは2030年に訪日外国人旅行者数を6000万人とする政府の目標にも大きく貢献するものとなっております。以上でございます。

 

山中委員

 那須さんの口からはもうずーっとずーっとずっとそういうことを聞き続けてきました。もうそうおっしゃいますけども IR 事業者自身が、もう外国人観光客がなくてもできるようにプランニングしているというふうに言ってるわけですよね。だからもうそれは本当に目標として掲げておられるだけっていうか、言っておられるだけっていうふうにしかま思えないというに思います。

 ですからもう世界中から人・モノ・投資を呼び込むって、もうほんと絵空事にすぎないというふうに思います。

 今ね、どんな施設を作ったとしても外国人観光客を呼び込むっていうこと、いろんな意味でね難しいんじゃないかなっていうふうに思うわけですけども、特にこの IR の場合はもう核となるカジノがもはや斜陽産業ですよね。ですからインバウンドいかに増やすか、これが立法の趣旨ですからこの肝心の外国人観光客が望めない以上、この IR 法の目的は達成せられませんから、もうこの夢洲 IR もうもはや存意義ないというふうには思うというふうに、これは申し上げておきたいというふうに思います。お聞きは致しません。だって IR の成否っていうのはカジノにかかっているわけですよね。ですからもう今カジノで儲けなければ、全体の運営が出来ないという中で、そのカジノが核になるカジノが斜陽産業です。もうマカオは本当に散々で、回復するような見込みはないというにも言われてますし、ラスベガスはもうカジノから舵を切り替えたっていうふうにも聞いています。こういうことから分かるとおり、カジノのためにわざわざ外国からやってくる方おられないというふうに、これは申し上げておきたいと思います。

 去年の3月の議会の時にも議論しましたが、基本協定の中でこの IR 実現の課題として提起されていたものが、一つはコロナ禍が収束し国内外の観光需要の回復に見通し立つということが挙げられていますけれども、ここに来て先ほども質疑しました通り、コロナの感染者がまた増え始めている。もう第8波に入っているというふうにおしゃる方もおられるというそこまでの状況です。ですから簡単に収束など見通せるものではありませんし、ましては外国人観光客、中でも中国人観光客のコロナ以前の水準までに回復するって、これはもう望むべきもないというふうに思います。

 ちょっとなかなかその外国人観光客、大阪への観光客の方の動向で直近のものは見つかりにくいんですが、関空での外国人入国者数の推移っていうのを見ますと、ピークは2019年の8378000人ですね。月平均ざっと70万人です。それが2020年は、1011000人。8分の1まで落ち込みました。21年は何年間わずかに41000人ですね。今年の夏以降円安もあって少し増えてきていますし、やっとこの10月に規制が無くなったっていうことでこれからかもしれませんけれども、やっぱり遠くあんなピークには及ばないだろうというふうに思います。コロナの収束が見通せない、外国人観光客も戻ってくる見込みがない。つまり IR 実現の課題だったものが、見通しが立たない以上もう断念するほかないんではないかと思いますがいかがですか。

 

谷岡推進課参事

 新型コロナウイルス感染症については、ワクチン接種や治療薬等により感染が一定程度収束すれば観光需要も中長期的には回復していくものと認識しております。

 また日本においては1011日に入国制限の上限が撤廃されるなど、水際対策が大きく緩和されており、今後外国人入国者数についても回復していくものと認識しております。

 大阪府市としましては、大阪関西の持続的な成長のエンジンとなる世界最高水準の成長型IRの実現に向けて引き続き取り組みを進めてまいります。以上でございます。

 

山中委員

 いつもそう仰るけれども、もうどうなるかわからないということですね。

 外国人観光客は望めない、国内他の地域からの観光客も簡単には望めないとなれば、やっぱりカジノのターゲットはもっぱら大阪周辺の一般市民ということになろうかと思います。

 ですから目標のように大阪周辺の市民の懐から4200億円も吸い上げてしまったら、もう大阪の経済なんて悪くなるばかりですよね。もうその上土地対策費、土壌対策なんかがもうどれほど膨らんで行くかわからないと。液状化対策などよく言われます790億円も、土地の賃料ももう31年分、これに地盤沈下の対策費用も乗っかってくるというわけです。ですからもうこれでは IR 用地は無償貸与どころか、原価考えたら大赤字もいいところだと思います。この地盤沈下対策はどんな見通しでしょうか。

 

長野推進課長

 IR 用地につきましては、夢洲特有の軟弱地盤によりまして、長期に地盤沈下が生じることが見込まれておりますが、 IR 施設の建設に必要となる地盤沈下対策については事業者において適切に実施することとしております。

 また市が使用した埋立材の原因により通常の想定を著しく上回る大規模な地盤沈下や、陥没が生じた場合を除いて市が費用負担を行わないことを前提としております。

 いずれにしましても、大阪 IR は国内外から毎年約2000万人の来場者が訪れる国際観光拠点の核となる大規模集客施設であり、安全安心な新たな賑わいの拠点を形成して参りたいと考えております。以上でございます。

 

山中委員

 地盤沈下対策は市は出さないとおっしゃるけど、3月の参考人質疑では事業者はそんな明言してませんね。出して欲しいって言うかも知れないって。そんなことを仰ってました。

 いずれにしても繰り返しますが、経済は悪くなるわ市の財政にも大きなマイナス。その上ギャンブル依存症。大阪市民は踏んだり蹴ったりだというふうにこの問題では本当に思います。

 それで今一つこの件質しておきたいことは、IR用地の評価に関することです。それは IR 用地の49haの年間賃料25億円。これの元になった更地価格の評価額ですね。平米あたり12万円。これ低すぎるんじゃないかっていう専門家の意見が寄せられているわけです。

 確かに類似の咲洲の土地売却価格との状況比べてみると、まぁこれがいかに低いかってことが分かってくるわけです。今年3月に売却された南港東の第6貯木場の埋め立て地。これはずいぶん高く売れたんだと思いますけども、平米あたり462825円。それからもう一つは395387円。これはちょっと高すぎるかも分かりませんけどもそういうことですね。

 その前2020年に売れた南港南の土地も213146円等々、かなり高くなっています。咲洲の南港東や南港南の土地と比べて、IRがやがて出来る地下鉄駅前の一等地については、もっと高くなって当たり前だと思うんですが、どうしてこの IR 用地、平米あたり12万円とこんな金額になったんでしょうか。

 

兼坂販売促進課長

 IR事業用地の1uあたり12万円という基礎価格につきましては、土地を所管する大阪港湾局が不動産鑑定業者4者に鑑定を依頼し、その鑑定評価において査定されたものでございまして、その内容につきましては不動産鑑定士、弁護士、会計士等による第三者の専門家により構成される、大阪市不動産評価審議会の審議において妥当と認められたものでございます。以上でございます。

 

山中委員

 妥当と認められたと仰るけど、不動産鑑定士の方はみんながみんな分かってる訳じゃないですから分かりませんが、専門家が鑑定して評価審議会が妥当と認めたからもう黙っとけって言われても市民の財産ですからね。

 本当にこれが妥当なのかっていうことはやっぱり問い続けていきたいとふうに思うわけです。先ほど申し上げた土地と比べてもね、物流の土地と比べても56%とか63%っていう水準は、市民的に考えてやっぱり低すぎるだろうというふうに思うわけです。

 まあちょっと次の一問時間の関係で飛ばせていただいて、こういった売買実例価格と比べても非常に安い値段になっている原因について、やっぱりIRを考慮外としたためではないかというふうに言われていますし、私も色々話し聞いていてそうだというふうに思うわけです。本来土地の評価が最も有効に使用することを前提にするものと言われています。

 IR カジノを考慮すれば当然 IR ですからホテル無いわけありませんからホテルも立地する。そうなれば土地の評価も自然と高くなるのではないかと思います。どうして不動産鑑定士さんに IR カジノを考慮外とするように指示したんでしょうか。

 

兼坂課長

 IR 事業につきましては、これまで国内で実績もなく不動産鑑定業者から評価の前提とすることが適切でないなどといった意見があったことを踏まえて、本市の判断として考慮外としてございます。またこのような IR 事業を考慮外とする条件設定も踏まえた賃料につきましては、大阪市不動産評価審議会の審議を経て適正に設定したものでございます。

 

山中委員

 不動産鑑定士さんがIRなんて例の無いものだからって言われたって言うけど、その国内で実績のない事業を外国から MGM を引っ張ってきてまでやろうとしているわけですから、どんな手立てを取ってでもわかる鑑定士さん探して、わかる方に IR だったらどうなりますかっていうふうに鑑定をしてもらうべきだ。それがやっぱり市民に対して誠実な態度だというふうに思います。

 ですからやっぱりお聞きしていると、どうしても低い評価になるために誘導した。大規模商業施設とすることで低くするために誘導したとしか思えないわけです。

 ある方の試算ですけどね IR 用地49haの内ホテル用地は1/5だと、これを USJ に隣接するホテルの土地並に評価をすれば、 IR 用地全体の価格は1.6倍になる。つまり年間賃料25億円は40億円になる。これはある方の試算ですが、私一理あるとは思うんです。素人ですから分かりませんが、そういう見方をしないといけないと思うんですが、港湾局この試算についてはどうお考えですか。

 

兼坂課長

 IR 事業用地と鑑定評価につきましては、大阪市が依頼した不動産鑑定業者4者がそれぞれ本件の土地の最有効使用を大規模複合商業施設とした上で、これに適した全国規模での取引事例をもとに土地の基礎価格を算定し、これに期待利回りを乗じて賃料を算定したものでございます。

 なお今回の鑑定は IR 用地の土地について一体として利活用を図る公募条件の土地の賃料を評価したものでございます。

IR 用地の一部をホテル用地とするなどの具体的な土地利用は公募条件をもとに事業者が計画して初めて決まるものでございまして、応募後に事業者から提出された土地利用計画に基づき試算した賃料を公募時の賃料とすることはできないと考えるものでございます。以上でございます。

 

山中委員

 ですからホテルの無いIRなんてあり得ないでしょって申し上げてます。

 最有効使用が大規模商業施設って、これ市民は納得しないと思います。私たちは正直IRが成功するとは思ってませんけど、皆さんの計画でいけばどんどん儲かるものになっていく。それなのに1番採用有効使用が大規模商業施設でそれで計算しました。大阪市の財産をこれからその安い値段でずっと貸し続けますって、これやっぱり市民は納得できないと思います。

 同時にこの鑑定評価額があまりにも揃いすぎるということにも疑義が出ています。ちょっと時間がないので細かくは言いませんけれども、とにかく3者に依頼して2者が12万円、1者が118000円。ある評価審議会委員の方は、評価審議会の中で、12万円ありきって言われても仕方がないようなことが起きてるなって、そのようなこと、12万円ありきなのかなというところは疑問を持っている所っていう委員さんおられたようですが、やっぱりこれね、25億円ありき、12万円ありきで官製談合だと言われても仕方がないのではないでしょうか。

 

兼坂課長

 IR 事業用地は49haもの広大な土地であり、全国的に見ても事例が限られる中で、それぞれの不動産鑑定業者が参考となる取引事例などを収集し、基礎価格として1uあたり12万円と独自に算定した評価額であり適正なものでございます。

 

山中委員

 3者がピッタリ一致するなんてあり得ないと思います。とにかくそうやって鑑定士さん誘導してでも、IR事業者をつなぎとめたいというふうにキュウキュウとしているというふうにしか思えません。

 いずれにしても夢洲 IR はもはや存在意義もなければ市民にとっては経済的にもまた市の財政の面でもデメリットしかありません。

 今からでもいい、取り下げていただくように申し上げておきたおきます。

 合わせまして万博についても、もう入札不調が相次ぐなどどこまで上振れするかわからないという、このまま夢洲開発を続ければ、どれだけ大きな負の遺産を市民が背負い込むことになるのか本当にそれ恐ろしいという思いです。

 夢洲開発全体、IR だけではありません。立ち止まるべきだということを申し上げて質問終わります。ありがとうございました。