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上野議員が大阪市の道州制導入方針を問う

上野とき子市会議員

2007年8月8日

 8月8日に開催の大都市・税財政制度特別委員会で、大阪市が最重点項目として道州制導入を掲げている事に対し、上野とき子市会議員が市は地方自治体本旨にもどり市民合意の全くない道州制推進の旗振り役はやめよと主張しました。

 委員会では指定都市市長会からの、平成19年度「大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望」とともに、市は「予算要望」において、地方分権推進の最重点項目として道州制を見据えた新たな指定都市制度の創設を目指す。主な内容として、市域内の行政は原則、指定都市が一元的に実施し、府県はより広域的な機能に特化した広域的処理の事務に限定。また指定都市の役割分担に見合う税財政制度を創設し、市域を越える課題は大都市を中心とした基礎自治体間で対応する。大阪市は新たな都市制度の基で広域自治体の事務以外の全てを行い、機能を最大限発揮できるスーパー指定都市を目指す。この事で総合的な行政で市民サービスの向上になり、大都市間の中心都市として求心力が増し大都市圏全体の活性化につながる。道州制については交通手段の発達、情報通信技術の急速な進展等により、環境規制や交通基盤整備、観光振興など、都道府県の区域を越える広域行政課題が増大しており、市町村合併の進展で都道府県から市町村への大幅な権限委譲が可能となっている。府県はより広域的な機能に特化した州へ移行すべきであると考えていると答弁。

 上野議員は日本世論調査会が行った道州制の世論結果では、昨年は賛成47%、反対39%であったものが、今年は反対62%、賛成29%になった。これは平成の市町村合併で国民が合併に否定的な感じを強く抱くようになった結果だと報道された。今年1月の全国知事会の道州制に対する統一見解では、導入の賛否に踏み込まず基本的な考え方を示すにとどまった。賛否を明らかにするのは時期尚早というのが理由である。知事会では「行政区域として道州は広すぎる。今の道府県に愛着がある。国民的な議論が行なわれていない。国民は反対。拙速に推進の立場をとるのは時期尚早。国民の意見を踏まえるように」と意見が出された。国と国民との意思に大きな開きがあるという事だ。道州制の問題点としては地方自治の破壊も危惧される。自民党の道州制調査会は今年6月14日第二次中間報告で「様々な構造改革に取り組んだが改革後の国の形を作ることができない、それに答える究極の革命的構造改革は、明治維新の廃藩置県に匹敵する廃県置州、道州制の導入だ」と言っている。これは地方分権発展の方向ではなく国の形を優先させるというものである。政府や自民党の議論は強く財界の意向、提案を踏まえたでもので、大都市指定都市が求める財源拡充とは全く逆の立場だ。財界は全国を7つから10の道州にし財政規模を大きくしてこれまで以上に巨大プロジェクト、開発推進を進める事を考えている。そうなれば市民の暮らし、教育、福祉がまたも切り捨てられることになる。今度の参議院選挙で構造改革を進めようとした安部政権に厳しい審判が下された。大阪市がこの路線で旗を振ることは許されない。市の立場は指定都市市長会の意見にも反映されていない。市は道州制推進の旗を振ることをやめ、地方自治法、92条、93条、94条の立場にしっかり立つべきだと主張しました。