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地方分権改革は

生活者・住民の視点に立って行動すべきと

井上議員が強く主張

井上ひろし市会議員

2008年7月7日

 7月7日開催された大都市・税財政制度特別委員会で井上浩市会議員は、5月の地方分権改革・第一次勧告について質疑。「幼保一元化・子ども」の項目において、入所要件を「保育に欠ける」から「直接契約」へ変えるとし、平成20年中に結論を出すとあるが、「直接契約」を導入すれば保育料の応能負担が応益負担に変わる。つまり保育時間が長くなったり子どもに皆と同じサービスをと思うと保育料が増える。それは生活に困窮する家庭ほど家計のやりくりが大変で、障害児や様々な事情から問題を抱える子どものいる家庭も大きな影響が出ると指摘。

 井上議員は、今年6月の第169回国会で保育所の直接入所方式導入反対、保育所の最低基準の廃止・切り下げでなく抜本的改善を求める請願が採択された。これは5月の第一次勧告とは逆の判断であり、なぜこのような事がおきるか。それは「直接契約」を最初に提案したのは経済財政諮問会議の御手洗経団連会長などで財界が保育の市場化を要求し、政府が規制緩和と市場化を保育に持ち込むなかで、国民の願いとずれが生じているからだと指摘。さらに2004年の三位一体改革によって公立保育所運営費が一般財源化されたことで、節減、圧縮の影響を受けた市区は約6割に上り、公立を統廃合17.4%、公立民営10.8%、民立民営21.8%、保育料引き上げが10.6%という状況になっている。この状況をみて社会保障審議会少子化対策特別部会の委員からは、「一般財源化により、保育に財源を確保しにくくなっており、保育材料費削減、職員の非正規化、保育料の引き上げなどにつながっている。公立保育所の一般財源化の影響について検証が必要だ。」「公立保育所の一般財源化により公設民営化の方向にあるが質の担保に向けた質のガイドラインの共有化が必要だ」だという声があがっている。すなわち地方分権論議が真に住民本位の改革になっていない現れだ。第一次勧告の方向では公立保育所はますます継続困難になる。市は生活者の視点に立った「地方分権」をどう認識しているのかと質問。

 市は、生活者の視点に立った行政は地方自治の本来の姿であり、住民自らが判断し実施に移す事ができる行政体制を整え、個性豊な活力に満ちた多様な地域社会及び住民が誇りと愛着を抱く社会を再構築することが肝要と答弁。

 井上議員は、生活者・住民の視点とは言い換えれば生活者・住民のニーズのことである。分権の名で財界のシナリオを具現化するという思惑で住民のニーズがゆがめられてはならない。保育の問題では直接契約導入が先にありきと議論が進められており、生活者・住民のニーズは反映していない。市は生活者や住民の視点に立って行動すべきだと強く主張しました。