大阪・平野区 「昼も電灯か」と住民カンカン
不動産会社
市に日影規制なく強行の構え
大阪市平野区の準工業地域で高層マンションの建設によって太陽があたらなくなると住民が建設反対連動をしています。大阪市には、他の政令指定都市のように日影制限がないのがあらためて問題になっています。(大阪府・生島貞治記者)
たき火たき 早朝から監視
「計画どおりに建てば、太陽が一日中あたらなくなる。昼でも電灯がいる」という大阪市平野区長吉出戸3丁目の広大な工場跡地。小学校と隣接し、周辺は住宅地が密集しています。まだ暗い早朝の5時頃から住民がたき火をし、マンション建設予定地前で監視活動を行っています。住民合意のないまま工事が着工されないようにと11月26日からはじめました。
名古屋市と東京都に本社がある大手不動産会社2社が工場跡地に15階建て高さ約45b、240戸の高層マンションの建設を計画。周辺往民には今年8月中旬に事業者が住民説明会を開催。一方的に10月から工事を開始すると説明し、建設計画が表面化しました。
周辺128世帯の住民は、「みどりと太陽、街を守る15階建マンシ∋ン建設反対協議会」をつくって、反対運動をしています。
10月中旬には、大阪市議会に、1,422人分の署名を添えて、地域の過密化や日照権、風害、プライバシーの侵害など周辺環境への影響について十分住民と話し合うよう指導してほしいと陳情しました。11月20日の会社の説明会では、15階から14階、高さ41bに変更したと説明し、「確認申請は下りている」「法にふれないので着工する」と強行のかまえです。
住民は、住民の意思に反して建設されないよう可能な限りの手段を講ずることなどを市に求め、2度目の陳情を行いました。
党議員の質問に市長も怒り
日本共産党の
稲森豊議員は、
14日の計画消防委員会で、有効な指導ができないのは、大阪市が日影を独自に規制する条例を持っていないためなどと指摘し、「大阪市の建築指導行政の遅れがむちゃなマンション建設をゆるす原因になっている」と指摘しました。
全国では、名古屋市や東京都、仙台市など大半の政令市は独自の条例や指針をつくり、今回の建設計画と同じ準工業地城で日影制限を行っています。
今回建設する不動産会社2社は、それぞれの本社がある名古屋市と東京都では規制がありこれだけ大規模のマンションは建てられません。規制のない大阪市で建てようとしています。
磯村隆文大阪市長は、同委員会での稲森議員の質問に、「もし自分がこのマンションの北側に住んでいたらと、かんかんになって怒っている。しっかりと指導すべきだと思う」と答えています。
「建設反対協議会」の笹野敏彰会長(65)は「行政はなんという仕事をしているのか。業者も建てられるから建てる、売ってしまったらしまいではあかん。正月返上でがんばる」と語っています。