大阪市議会本会議が7日開かれ、日本共産党を代表して瀬戸一正議員が、2002年度予算案と当面する施策について質問。破たんした「国際集客都市」づくりに固執し、舞洲などの巨大開発を推進する一方、小泉「改革」で痛みを強いられているのに、国民健康保険料の連続値上げや学童保育への仕打ちなど市民に冷たい予算案の撤回と組み替えを求めました。磯村市長は、「国際集客都市づくりを推進する大阪圏の再生のため限られた財源を重点的に配分した」などとのべて巨大開発を正当化し、市民に背を向ける態度に終始しました。

公共事業は生活密着型に 雇用、中小企業最優先で守れ

 瀬戸議員は、大企業の身勝手なリストラを規制するルールづくりを国に求め、在阪企業に対してリストラ中止を申し入れるよう求めました。
 また、雇用対策の拡充を要望し、保育所待機児解消のための保育士の定員増など、福祉、教育、消防などの分野で本格的な雇用の拡大を求めました。
 大阪経済の立て直しにとって中小企業の活性化が重要だと強調。融資事業を除く経済局の予算は、一般歳出のわずか0.4%に過ぎず抜本的増額と中小企業振興条例の策定を求めました。

巨大開発予算大幅に削減を

 瀬戸議員は、オリンピック招致が失敗した中、住宅需要が見込めず、業務地・商業地も売れ残っているのに、238億円を計上し、夢洲開発を進めることはまったく無謀だと批判。無駄遺い以外のなにものでもない夢洲開発(今後5000億円から6000億円をかける)は中止するよう求めました。
 また、市民の税金・公金が銀行借金の肩がわりに使われている、WTC(ワールトトレードセンター)、ATC(アジア太平洋トレードセンター)や奏町開発センター、大阪ドーム、地下街・クリスタ長堀の赤字第3セクター企業(の公金貸付けの中止を求め、巨大開発をやめ、生活密着型の公共事業をと主張しました。

福祉、教育の充実第一に

 瀬戸議員は、国民健康保険料は3年連続3%の値上げで、不況のなか保険料を払えない市民が増え、市民負担の限界を超えるとのべ、25億円をさらに繰り入れれば値上げは回避できると主張しました。
 また、滞納者への資格証明書や短期保険証の発行はやめ、すぐに全保険者に無条件に保険証を発行すべきだと強調しました。,
 教育の問題では、30人学級の実現へ教員を市単独でも配置すること、中学校給食の実施へ足を踏み出すことを求めました。

清潔・公正な市政の実現を

 同和事業をきっぱりと終結させる問題で、民間病院の芦原病院への運営助成に10億4700万円、同和浴場改修に15億円計上し、学校への加配継続など特別対策を改めようとしていないと厳しく批判。同和住宅の空き家について、全市民を対象に一般募集するよう求めました。
 このほか、保育所待機児の解消、介護保険、学童保育、乳幼児医療費助成の所得制限撤廃、障害者施策の拡充、大阪港の平和利用などについて質問しました。
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 磯村市長は、大企業の身勝手なリストラについて「企業の事業活勧を規制することは困難で、市にその権限はない」と冷たい答弁とし、大型開発については「北港テクノポート線は魅力ある臨海部を実現するために必要不可欠で、一日も早い整備が必要」と無駄な大型開発を推進すると答えました。

<瀬戸議員の代表質問全文はこちら!>
瀬戸議員が代表質問
市民犠牲の「国際集客都市」に固執 暮らし優先へ予算組替えよ
(しんぶん赤旗 2002年3月8日)