title


 

市議団の実績

2003年度一般会計予算等の組み替え動議を提出

3月18日、議会本会議で渡司考一議員

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、2003年度一般会計予算等の組み替え動議を提出いたします。動議の内容は、以下の3点です。
 第1は、不況の影響が最も深刻な分野に対する緊急対策とともに、福祉、教育、中小企業支援など、切実な市民の願いにこたえる施策を抜本的に拡充することです。
 第2は、大規模開発やその破綻穴埋めの予算を大幅に削減し、公共事業は市民生活密着型に転換することです。
 第3は、一般施策の名で継続されている不公正・乱脈な同和行政は、きっぱりと終結することであります。
 以下、提案の理由を説明いたします。

 第1に、大阪の経済は、中小企業の倒産、完全失業率など、どの指標をとっても、もっとも深刻な状況におかれており、大阪市は行財政をあげて、小泉内閣の悪政から市民のくらしと大阪経済を守る防波堤の役割を発揮しなければならないからであります。
 まず、深刻な不況によってもっとも大きな打撃をうけている高齢者、失業者などへの施策です。4年連続の3%値上げで3年前の12.6%増にもなる国保料の値上げは到底認められません。26億円あれば料金をすえおくことができるのであり、値上げはなんとしても中止するべきであります。介護保険については、80億円の基金の内60億円をとりくずし、保険料をすえおくとともに、減免を拡充するべきです。同時に、在宅介護サービス利用の自己負担を10%から3%に引き下げることは30数億円で実現できるのであり、これにふみだすべきです。また、住民税非課税世帯の訪問介護利用料を3%にしている制度の継続は7000万円あまりで可能です。市民の願いにこたえるべきであります。
 失業者への緊急支援では、再就職までの生活つなぎ資金として保証人なしで月額20万円程度の大阪市独自の貸付金制度をつくることが必要です。また、現行の緊急援護資金は限度額を50万円に引き上げるとともに、大阪市が直接貸出事務をおこなうべきです。
 教育条件整備の重要な課題である少人数学級の導入、全国では大半の中学校で実施されている給食の実現、日本一多い待機児を解消するため公的な責任を果たすこと、学童保育への補助金増額と余裕教室の貸与、障害者作業所への助成増額、生活保護については申請権の拒否をやめ夏期と年末一時金をもとにもどすこと、大阪市勤労婦人センターの存続など、市民の願いにこたえなければなりません。
 中小企業への支援では、現在48%の官公需発注を60%に引き上げること、分離分割発注を促進し多くの業者に仕事がまわるようにすること、高齢者の住宅改造に介護保険とあわせ100万円を助成し関連業者への仕事をふやすこと、ものづくり産業の再生のため、技術と営業と両面からの支援が可能な「ものづくり支援センター」の設置をおこなうことが重要です。

 第2に、集客施設がことごとく破綻しているのに、「国際集客都市」づくりにあくまでも固執するとともに、小泉内閣の「都市再生プラン」に便乗し、JR大阪駅北地区の開発など新たな巨大開発に乗り出そうとしている問題です。
 夢洲開発は、今後のめどがまったくたたないのに、土地造成30億円、夢洲トンネル43億円、北港テクノポート線72億円、C10コンテナ埠頭整備17億円を計上しています。廃棄物処分場については夢洲の延命が可能であるのに、新人工島整備に123億7200万円、「見直し、中止せよ」が世論の多数になっている関西空港2期事業に59億円、大阪駅北地区の整備推進に5400万円を計上しています。これらの不要不急の予算は削減するべきです。
 また、今回の予算でみずごせないのは、自治体がやるべきでない娯楽施設への新たな支援です。グループファイナンスから50億円を融資したことが明らかになったUSJには、アトラクション新設のために、30億円の貸付を計上しています。その一方、同社はアメリカのユニバーサル社には2年間で135億円ものロイヤリテイを支払っており、到底納得できるものではありません。フェスティバルゲートには、新たに、交通記念館の整備費3億1000万円、賃料年間2億8000万円の支援を予定しています。
 USJからもフェスティバルゲートからもきっぱりと手を引くべきです。
 以上のようなムダづかいをやめ、市営住宅の建設、公園の整備、特別養護老人ホームや保育所建設、小中学校の校舎整備など、身近な公共事業費をふやせば中小企業の仕事づくりにも役立ちます。こうした施策を実施することを求めておきます。
  
第3に、同和行政が温存されている問題です。
大阪市の同和行政は、昨年3月末で国の特別法が失効したにもかかわらず、一般施策の中で依然として継続していることが、今議会を通じてうきぼりになりました。
 芦原病院には、補助金・特別貸付金として9億2300万円、人権協会への委託事業に40億2000万円、共同浴場への助成は1億4000万円が計上されています。これらの予算は削減するべきです。
 また、旧同和住宅の完全な一般募集にはふみきらず、中学校給食は旧同和校でだけ実施しています。人権協会には、「奨学金制度に関する説明相談事業」などさまざまな事業を委託し、従来委託されていた市立障害者会館は障害者支援費制度の発足にともない社会福祉法人に委託するとしていますが、この法人は解同幹部が運営の中心になっています。これらの特別扱いは、きっぱりとやめることが必要です。

 以上、提案理由を申し上げ、予算組み替え動議といたします。