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 「広域一元化条例」可決

共産党反対「市民に不利益」

大阪市議会


条例案反対の討論に立つ山中議員=26日、大阪市議会本会議

 大阪市議会は26日、本会議を開き、「大阪市及び大阪府における一体的な行政運営の推進に関する条例」案(「広域行政一元化条例」案)を、維新と公明の賛成多数で可決し、閉会しました。日本共産党の山中智子議員は、同条例案に反対の討論を行いました。

 山中議員は、本条例案は、制度いじりに固執し、市民の間に対立をつくり続けようとするものだと指摘。「住民投票の結果を無視、あるいは歪曲(わいきょく)すると同時に、市民の街づくりの権限を奪うという、二重にも三重にも民主主義をじゅうりんするもので、断じて認められません」と強く反対しました。

 山中議員は「解消すべき二重行政があれば、指定都市が担えるものは指定都市に移譲することで一元化すべしというのが地方分権の大きな流れ。大阪府から大阪市への移譲が進んだ都市計画などの権限を自ら放棄するのは、時代の流れへの逆行と言うほかない」と批判。「大都市地域特別区設置法において、政令指定都市を廃止し特別区を設置する際、なぜ住民投票が義務付けられたのかは、市民に不利益があるからこそ。大阪市民は悩み抜いた末に、自らの権限と財源で街づくりを担っていく政令市・大阪市の存続を選び取ったのです」と強調。「大阪の成長だ、広域行政の一元化だと言って推進しようとしているIR・カジノや、なにわ筋線などの不要なインフラ整備は、インバウンド頼みであり、これがいかにもろいものかはっきりした。市民の懐を温めて内需の拡大を図ることこそ肝要です」と主張しました。

 

広域行政一元化条例

 大阪市を廃止・分割することの是非を問う住民投票(昨年111日投開票)で大阪市存続が決まったことを受け、大阪維新の会が画策。条例で、大阪市がもつ「成長戦略」「都市計画」の権限と財源を府に移すというもの。民意にも地方自治にも反します。427事務、約2000億円を一気に府に移す維新の当初の計画は頓挫しましたが、知事を本部長、大阪市長を・副本部長とする「副首都推進本部会議」を設置。府市一元化推進を図ろうとしています。4月1日施行。

 

(2021327日付しんぶん赤旗)