少人数学級への独自努力を

 市会文教経済委員会で小笠原議員が主張

                      (しんぶん赤旗 2000年9月28日)

 22日に開かれた大阪市会文教経済委員会で、日本共産党の小笠原正一市議は大阪市学校園教職員組合など2団体から提出された「大阪市立学校園の少人数学級実現を求める請願書」の採択を求めて質疑を行いました。
 冒頭、同市議は不登校や校内暴力が過去最高となり、授業についていけない子どもたちが7割から8割にも及んでいるなど深刻さの一途をたどっている今の教育は国民的関心の的になっているのに、8月22日に大阪市教育委員会で採択された「大阪市教育改革の基本方向」が、議会にも報告がなく市民的議論が保障されていないことを厳しく批判しました。同時に、一方では深刻な教育の現状を反映して、文部省でも教育課程や学級編制で自治体や学校の裁量権を認めるようになっていることを具体的事例を紹介しながら質疑をしました。
 その中で、請願が求めている36人以上学級への市独自の措置では、すでに鳥取県や山口県、京都市などが36人以上学級に独自に臨時講師を配置して、保護者からも「1人ひとりに目を配ってもらえる」と好評であることを紹介、大阪市で36人以上学級以上に臨時講師を配置する予算は約57億円であることが明らかになりました。また、文部省は「協力者会議」の報告で、臨時講師の活用を強調し来年度にも国庫補助がつく見通しであり、今すぐにでも実施できることだと指摘しました。 さらに請願が求めている実質41人以上の学級の解消で必要な教職員は小学校で27人、中学校で6人の合計33人であることも明らかになり、これはやる気になればやれる問題であること、また、文部省が来年度予算の概算要求をしている生徒数減にともなって減る教職員を減らさず維持することが認められれば、大阪市で約30人の教職員増が見込まれることを指摘、この措置だけでも実質41人学級の解消は可能だと指摘しました。
 同市議は、30人学級という抜本的対策では、多大な財政負担が生じ自治体が単独で実施は困難だが、この請願は抜本的対策以前の当面の切実な要求であり、他の自治体がすでに実施しており、大阪市独自にでも実現可能なものばかりであること、また、近い将来国においても予算化されることが明かな問題もあり、決して過大な負担を求めるものではないことを強調、採択を主張しましたが、自民、公明、民主民友など与党は継続審議にしました。

議会 日時 付託委員会 請願・陳情名 質問者 各会派の態度
共産 自民 公明 民民 無所属
2000年9.10月市会
2000.9.22 文経 大阪市立学校園の少人数学級実現を求める請願書 小笠原
2000.9.22 文経 大阪市立学校園の少人数学級実現を求める請願書 小笠原
○…採 択  △…継 続  ×…不採択  ▲…一時不再議  ■…審査不要
 共産…日本共産党  自民…自由民主党  公明…公明党   民民…民主・民友大阪市会議員団  無所属