海洋環境保全体制の充実を求め

陳情書の採択を主張

大阪市会建設港湾委 稲森豊議員

 11月27日開催された、大阪市会建設港湾委員会で日本共産党の稲森豊市会議員は、全運輸省港湾建設労働組合神戸港支部(森西弘執行委員長)が求めた陳情「海洋環境保全体制の充実を図る意見書採択を求める陳情書」の採択を求め質疑を行いました。
 陳情書は、大阪港や神戸港など自治体が管轄する海域以外の環境保全を行っている、運輸省第三港湾建設局神戸港湾工事事務所の作業船が耐用年数の二十年を過ぎているため新たに建造の必要性に迫られ、また作業体制がアルバイトを含めた対応のため作業の効率性や安全性から見て問題があり、正規職員による作業体制を求めるなど、海洋環境整備事業の実施体制の拡充を求めています。
 稲森議員は、運輸省と大阪市との間で大阪湾内の環境保全を担当するエリアは決まっているが、西風の時は港外から流木等浮遊物が大阪港に流入し、海洋事故による油漏れ等が起これば、国、自治体を問わず協力が求められる。実際、大阪港内で近年、流出油の事故、海難事故などが起きていることなどを見ても、大阪湾全体の環境保全が不十分なもとで、大阪港だけが環境が良好であるという状態が保てるはずが無いことなどを指摘しました。
 また大阪市が、日ごろから主張しているベイエリア、ウオーターフロントの開発により、市民が水辺に親しむ機会が増えるという面でも、大阪湾全体の環境保全は今後も重要な課題。その意味からも運輸省第三港湾建設局神戸港湾工事事務所の業務内容の充実は、大阪湾全体の環境保全に資することから、大阪市にとって大いに歓迎すべき内容であり、ぜひ採択すべきと主張しました。
 大阪市港湾局の理事者は、「大阪市も施設設備の充実、船舶の代替については国に要望している」と答弁しました。
 自民、公明、民主・民友の各与党会派は、引き続き審査の態度をとりました。

大阪港海難等発生状況
  衝突 転覆 火災 浸水 漂流 機関故障 合計
1994年 1 1 2 2     6
1995年 5   1 2 4   12
1996年 2 1 1       4
1997年 5   1 1   1 8
1998年 2   3       5
1999年 6           6


大阪市浮遊物回収状況(2000年10月末現在)

年度 1994 1995 199119966 1997 1998 1999 2000
回収量m3 1,363 1,558 1,464 1,493 1,857 2,212 927


大阪市流出油事故件数(2000年10月末現在)

年度 1994 1995 199119966 1997 1998 1999 2000
発生件数 11 10 9 5 3 4 11

 

議会 日時 付託委員会 請願・陳情名 質問者  各会派の態度
共産 自民 公明 民民 無所属
2000年11.12月市会
11.28 建港 海洋環境保全体制の充実を図る意見書採択を求める陳情書 稲森
 ○…採 択  △…継 続  ×…不採択  ▲…一時不再議  ■…審査不要
 共産…日本共産党  自民…自由民主党  公明…公明党   民民…民主・民友大阪市会議員団  無所属
 財総…財政総務委員会  文経…文教経済委員会  民保…民生保健委員
 計消…計画消防委員会  建港…建設港湾委員会  交水…交通水道委員会