大阪市・PCB処理施設

住民合意なく建設するな

日本共産党 市長と関電に申入れ

(一部、しんぶん赤旗 2000年12月26日)

 日本共産党の瀬戸一正大阪市会議員と西淀川此花地区委員会は25日、磯村隆文大阪市長と関西電力株式会社に、「関電PCB混入絶縁油の処理施設建設について、ダイオキシン類による環境汚染の予測と環境評価を実施せよ、住民の合意なしに処理施設は建設強行するな」と申し入れをおこないました。
 瀬戸市議のほか猪腰幸治地区委員長、瀬戸美幸地区常任委員が同席。関電環境室資源再利用グループの加藤健一部長や大阪市環境事業局業務部の増田浩技術主幹が応対しました。
 関西電力は、電柱に乗せ変圧器に使っている絶縁油でPCBが混入したものを、1990年から此花区桜島の桜島ふ頭(株)の石油タンクで、住民にはいっさい説明せず保管してきました(11基 約5万キロリットル)。
 関電の処理施設建設計画は、このPCB混入絶縁油を、桜島に工場(処理施設)をつくって、新たに開発した「PCBを化学分解する新技術」(国が98年6月に認証)で、2001年度から10年かけて「無害化処理」しよういうものです。
 関西電力はいま地元説明に入っていますが、絶縁油に入ってるPCBの中のコプラナPCBについてはほとんど説明をしないばかりか、どれほどのダイオキシン類に相当するのかの実態調査も環境汚染予測もしていません。
 コプラナPCBは今年の1月ダイオキシン対策特別措置法で新たにダイオキシン類とされたものであり、これまで10年以上もPCB混入絶縁油を保管していた石油タンクの「空気穴」から「気化したコプラナPCB」として漏れ出ていたことになりますし、今後の絶縁油の運搬や処理施設の工程から、新たに漏れ出す恐れもあります。
 さらに関電のPCB処理技術はまだ実験室で実証されたばかりの日本で初めてのもので、関電はこれをいきなり実験室に比べて20倍の規模の工場で運転しようとしていますが、専門家からは「火災や爆発の危険についてももっと詳しい説明と安全対策が必要だ」と指摘されています。
 申し入れは、関電にたいしてダイオキシン類としての調査と環境影響予測をきちんとおこなうことや工場施設の安全対策の説明を要求。大阪市には、市の環境アセスメント条例にもとづく環境影響評価をするよう強く求めるとともに、安全性確認や住民合意が得られるまで、処理施設の建設強行をおこなわないよう求めています。
 関電、大阪市とも、申し入れにたいしては、後日回答すると答えました。