山下よしき参議院議員の5月19日の「マンション問題交流・懇談会」でのあいさつ

 住むということは、人間にとって不可欠の営みであります。わたしどもは住宅というのは人権であり、同時に、福祉であるという立場から住宅問題に一貫してとりくんでまいりました。
 
1970年代に入ってから、国が公共住宅の建設を軽視し、抑制し、そして今日では撤退するまでになり住宅政策を後退させてきました。このこととともに、分譲マンションが都市に住んでおられる方にとって、マイホームの要求に応える面もあり急増してまいりました。80年〜90年代と、さらにマンション建設が増え続けました。調べてみますと大阪市では、分譲マンションが10年間で2倍近くに増えています。大阪全体では1.4倍になり、すでに公共住宅の戸数を追い越して10世帯に1世帯が分譲マンションに住んでおられることになります。
 わたしども日本共産党は20数年まえからマンションに住んでおられる方々の要求に応えるために「マンションなんでも相談会」を全国各地でとりくんでまいりました。
 分譲マンションに住んでおられる方からさまざまな要望が出されました。大阪の党のセンターに寄せられてる内容を見ますと「修繕積立金の問題」「欠陥マンション問題」 「固定資産税減免の問題」 「電気やガス施設の問題」 「ペット、騒音の問題」、そして最近では「長引く不況で収入が激減した」 「リストラにあってマンションのローンの支払いが困難になった」という深刻な相談も寄せられています。
 わたしも、6年前の阪神淡路大地震の直後に国会に送っていただき、災害対策にとりくみ、現地にまいりましたが、あのとき、マンションの多くが倒壊、破壊しました。全壊も多くありました。そのときマンションにお住まいだった人の声を多く聞きましたが、そこで実感したのは、マンションは戸建てと違って共同で管理する問題、良さもありますがむつかしさもあり、たとえばお一人おひとりの収入などに差があり一律に建て替えたり修理するわけには行かないなど、大変むつかしい問題があることを痛感しました。
 その後、みなさん方と運動を共にする中で、マンション問題も政治の支援が必要だということがいっそう明らかになりました。そして、みなさんの運動と世論があいまって国政でもとりあげられてきて、咋年の国会で「マンション管理適正化法」が成立しました。
 この法律の詳しい中身については後ほど報告(党国会議員団、団地・マンション対策チーム高瀬康正さん)もあろうかと思いますが、わたしどもは、さきほどのべましたように住宅は人権、福祉という観点から、この法律をマンション居住者の立場から活用していく、そのためがんばっていきますが、不十分な面は、みなさんの要望に依拠しながら改善するために、国会でも奮闘していきたいと思います。
 マンション問題は、ついこの間までは「マンションは個人の財産だから、個人の責任でやりなさい」と(政府の姿勢)長く続いていましたが、こういった点について政治を動かしつつあるのではないかと思います。
 よりよいマンションライフについての日本共産党の基本的立場については国会の(団地・マンション)対策チームの高瀬さんと大阪市会議員団の辰巳さんからご報告させていただきます。本日の交流・懇談会が、みなさんの切実な願い、利益の実現の機会となりますように、また、動きつつある政治をより良い方向に改善する一助になることを祈願いたしまして、わたくし自身、国会内外でがんばることをお約束してご挨拶とします。