介護保険など請願、陳情採択を
　民生保健常任委員会
石川かんじ議員、山中智子議員が質疑

　大阪市議会の民生保健常任委員会（事前調査委員会）が9月25日開会され、ゴミ焼却工場のダイオキシン対策などの議案とともに、介護保険の改善や長居公園のホームレス対策など、市民から出されている18件の請願・陳情が審議され、日本共産党の石川莞爾、山中智子両議員は、市民の要求を実現する立場で奮闘しました。
　介護保険の問題では、10月から大阪市が低所得者の保険料金減額に踏み切ったことについて「厚生大臣が地方自治体の減免実施に圧力をかける発言をしているなかで、大阪市が減免を行うことは意味がある。ぜひ財源は他の被保険者の保険料でまかなうのではなく、国に堂々と要求すべきだと思うがどうか」と磯村市長らに質し、大阪市側も「財源は国に求めていきたい」と、答弁しました。また、実施に至った経過と理由については「介護事業計画策定委員会や議会での議論、保険料金通知以降の市民の苦情や相談の状況を判断して」と、答弁しました。これは、市民生活の実態や、保険料の減免を求めて、市議会への請願・陳情を幾度となく行ってきた市民の世論、そしてそれを市議会で取り上げてきた日本共産党の論戦が今回の減額措置の原動力となったことを裏付けるものです。両議員はさらに、大阪市自身の調査結果をもとにして、利用料金の減免制度の実現と、民間任せではなく、大阪市の公的責任でホームヘルパーなど介護基盤の整備をすすめることを強く求めました。
　また、今回の議会には、大阪市が長居公園内につくろうとしている「仮説一時非難所」に対して、周辺住民の合意を得ない建設強行に反対し、野宿者問題の根本的解決を求める陳情が地元自治会や住民団体から出されました。日本共産党の石川莞爾議員は、「野宿者問題の解決のためには、就労の場を保証することと、当面緊急には、生活保護を適用して、憲法に定める最低限度の文化的な生活を保障することこそ、自立への早道。野宿のまま放置すると、体力は消耗し、病気になり、結局自立を遅らせるだけ。西成ではドヤを改装してアパートにする動きがあるが、そういうものも活用して、居宅保護を実施することが根本的解決の道」「その根本的な解決をやらずに、周辺住民にも野宿している当事者にも支持も同意も得ていない一時非難所の建設をなぜ急ぐのか。10億円かけて建設しても入れるのは500で、一人当たりなんと200万円。3年間の利用だから1年間で一人約70万円の税金を投入し、国の補助は一切なし。これなら生活保護を実施する方が財政的にもずっと効率的ではないか」と当局を追及しました。
　委員会は、審議の末、請願・陳情の取り扱いを協議しました。日本共産党は、18件すべての採択を主張しましたが、自民、民主・民友、公明の市長与党は、「高齢者住宅改修助成事業と障害者の住宅改造助成事業の拡充を求める請願書」のみに賛成し、他の17件については「持ち帰り検討する」と、棚上げし、市民の願いに背を向けました。

 ○…採　択　　△…継　続　　×…不採択　　▲…一時不再議　　■…審査不要
　共産…日本共産党　　自民…自由民主党　　公明…公明党　　　民民…民主・民友大阪市会議員団　　無所属