大阪市議会

保育、学童対策放置し「決議」採決

日本共産党は留保

(しんぶん赤旗 2001年1月27日)

  26日開かれた大阪市議会で自民、民主・民友、公明の与党は14万を超える署名を無視できず「少子化・子育て支援対策の充実に関する決議」案を提案し、採決しました。
 下田議員は問題点として、冒頭のリード部分で「本市においては、少子化・子育て支援対策に積極的に取り組んできた」としていることは毎年、多くの待機児童を出しながら、放置してきた保育行政や所要経費にはほど遠い助成金で、ごまかしてきた学童保育対策などの実態をおおいかくすことになると指摘しました。
 そして標題と文章の中身がそぐわないことを批判。保育所問題など、少しふれているだけで、大半が「児童いきいき放課後事業」の充実で占められていると指摘。少子化・子育て支援というなら、当然、学童保育の拡充も、住宅対策や緑や公園の増設など、生活改善もうたわれるべきであると主張しました。
 そして決議案が、本来なら1週間前に提出されなければならないのに、前日の午後3時を大きく回った時間に提出され、急ごしらえで、本会議議決をはかったことを批判。学童保育条例案を否決するいいわけづくりにほかならないと主張しました。

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議員提出議案第1号、「少子化・子育て支援対策の充実に関する決議(案)」に対する見解表明を行いたいと思います。
 まず、結論から申し上げれば、わが党は、本決議案に留保せざるをえないということであります。
 なんとなれば、第1に、この冒頭リード部分で、「本市においては、少子化・子育て支援対策に積極的に取り組んできた」として、毎年多数の待機児を出しながら、これを放置してきた無責任な保育行政や所要経費にはほど遠い助成金でお茶をにごしてきた留守家庭児童対策などの実態を、おおいかくしているからであります。
 又、第2には、この標題と文章の中身がそぐわないからであります。
 つまり、文案には、保育所問題などがほんの少しふれられているだけで、大半が「児童いきいき放課後事業」の充実で占められているのであります。
 勿論わが党は、この教育の一環としての「いきいき事業」の充実には賛成であります。しかしながら、標題で、「少子化・子育て支援の充実」をいうなら、当然、学童保育の拡充も、住宅対策や緑や公園の増設など、生活環境の改善もうたわれてしかるべきではありませんか。事前折衝の中で、わが党が、最低、福祉施策であるいわゆる「放課後児童健全育成事業」の充実の字句を挿入するよう求めたのに対し、与党は、これを拒否したのであります。
 更に、第3は、この決議案を本議会に提出した与党の意図がみえみえだからであります。
 本来、決議案などは、本会議の1週間前に提示しなくてはならないにもかかわらず、この文案がわが党に示されたのは、昨日の15時を大きくまわった時間であります。まさに、急ごしらえで、何が何でも、本日議決をはかろうとする、すなわち大阪市学童保育条例案を否決する言い訳づくりに他ならないのであります。
 以上、3点の理由で、わが党は、本決議案については、留保することといたします。